アイドル志望の姪
今年の夏休み、義姉と姪は何やら忙しそう……。どうやら、アイドルになるためのオーディションの選考に残ったそうで、レッスンをたくさん入れていると言います。
姪の夢は歌って踊れるアイドル。姪ならオーディションを通過しデビューできると義姉は自信満々ですが、姪の歌やダンスはイマイチ……。どこからその自信が来ているのか、不思議です。
そんな義姉がわが家に持ってきたのは、山のような夏休みの宿題です。「やっておいてね」 と一言。漢字ドリルに算数ドリル、作文に絵日記……なかなかの量です。この夏、私も仕事で忙しいのに、信じられません。
宿題を人に押し付けて平気な顔をする姪を見ていると、心配になってしまいます。このままではろくな大人になりません。1度きちんとわからせる必要があると思った私は、あえて宿題を引き受けることにしました。
特に力を入れたのは絵日記です。毎日天気もしっかり記録しておきました。
夏休みの宿題に隠された罠
夏休みが終わり、9月になりました。これが大波乱の始まりです。
鬼の形相をした義姉が「学校で大恥をかいた」と大号泣の姪を連れて、わが家にやってきました。話を聞くと、私が代わりにやった宿題を目も通さずに提出したのだとか。
提出された絵日記は、義姉指定の内容を書いたものの、天気は夏の間私が滞在していた南半球のもの。「天気:雪」と連日書かれた絵日記を笑われたようです。
結局、宿題を私に頼んだことが先生にバレ、こっぴどく叱られたのだとか。放課後に毎日居残りをしてやり直すことになり、歌やダンスのレッスンができなくなったと姪は大泣き、義姉は猛烈に怒っていました。
その後、歌とダンスのレッスンを夜遅くまでやっていた義姉と姪でしたが、姪は体調を崩し、オーディションを欠席することに……。十分な睡眠が取れていなかったことが原因ではないかと、私は密かに思っています。義姉は私に激怒していました。
「離婚だ!」義姉が大泣きしたワケは?
義姉を制したのは兄でした。私をかばい、そして離婚を突きつけたのです。
義姉には寝耳に水の話。泣いて「考え直してほしい」と訴えていました。でも、義姉が手放したくないのは兄ではなく兄の収入でしょう。
義姉は、姪のデビューにより自分も注目されると思い、ブランドの服を買ってしまったのだそうです。姪のレッスンにも大金を支払っており、その全部が借金だというから開いた口がふさがりません。
それを知った兄は「ひとりで頑張って返すんだな」と冷たい言葉を投げつけました。ひとりぼっちで多額の借金を返済しなければなくなった義姉は、いつまでも大きな声で泣き続けましたが、さすがの兄ももう後ろ髪を引かれることはないようです。
お金のために働きに出ることになった義姉ですが、あの性格なので長続きしないよう。自分の仕事を人に押し付けてばかりいたら、無理はないですよね。
宿題は自分でやるべきもの。これでは子どものためになりません。せめて姪だけでも、しっかり更生して立派な大人になってほしいと願います。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。