同棲生活に暗雲
一緒に生活をするなら家賃や生活費はすべて折半しようと提案した私。すると彼は、月3万円までしか家に入れられないと言います。
家賃だけでもその4倍はあるのに信じられません。どれくらいお金が掛かるかを説明しても、自分の母親ややりくりしていたと言い張る彼。しかし本当に3万円でやりくりできていたのか、疑問です。
「いい大学を出ているくせにやりくりもできないのか」「もし足りなければ給料が高いほうが出すべき」と断固として譲らない彼に、私の愛が冷めていくのを感じました。
しかしただ別れるのはしゃくにさわります。いかに仕返しをしてやろうか、考えを巡らせました。
月3万円で暮らすためには?
私はすぐさま作戦を立て、その結果、彼の要求をのむことに。「後悔しても知らないよ」 と釘はさしましたが彼には響かず、私の返答を聞いて満足そうに笑っていました。
翌朝、暑さで目を覚ました彼は、エアコンのリモコンに手を伸ばしましたが、エアコンは一向に動きません。電池を抜いたのは私です。3万円生活でエアコンを使うなんて、そんな贅沢はできません。
そして、朝食をとろうとダイニングにやってきた彼に、私はお茶わんにほんの少しのごはんときゅうりのぬか漬けを2切れ出しました。生活費3万円となると、これが限界です。
コケにするなと怒り狂った彼は、朝食を食べずに出勤支度を始めました。寝室に戻った彼は絶叫! スマホの充電がないと吠えています。電気代だってタダではありません。無駄な電源は抜くことにしたのです。
月3万円の真実
怒り狂った彼は「別れてやる! モテないお前なんて一生独身だ! 俺に振られたらお母さんに孫を抱かせるなんて一生無理だ」と暴言を吐きました。
しかしモテないのは紛れもない事実。それでもこんな人と一生一緒にいるのは苦痛でしかありません。私は彼を追い出し、私たちの同棲は幕を閉じました。
ちなみに、彼のお母さんが月3万円で生活していたなんて真っ赤なウソ! 母経由で確認してもらったところ「そんなわけがない」と笑っていたそうです。息子がとんでもないことを言って申し訳ないと何度も謝られました。
彼の根性を叩き直すと言われたものの、あまりの経済観念のなさや家事へ無関心はそう簡単に治らないでしょう。私は彼のお母さんに詫び、やり直すつもりはないと告げました。
モテないと言われていた私が…
後日談、自分はモテないと思っていたのですが、別れた途端モテ期がやってきました。自分でもびっくりです。
私が大モテしているという噂は、小さな会社だということもあり、すぐに彼の耳に届きます。すると彼は急に惜しくなったようで、家に入れるお金を月5万円に引き上げると言ってきました。
しかし5万円でも足りるわけがありません。拒絶すると、彼は1万円ずつ生活費をアップさせます。おもしろがって話を聞いていると、8万を超えたところから5千円単位の交渉を開始! 呆れて笑ってしまいました。
それからまもなく、私はある後輩とお付き合いをするようになりました。そして、数年後に結婚。彼はとても堅実な人で、新居はふたりで購入したタワマンです。
もちろん生活費も家事や育児も折半で協力しながら暮らしています。あのとき早まらなくてよかったと心から思います。
何事も、見極めが大事ですね。人生は長いですが、つまらないことに時間を費やすのはもったいない! 自分の人生に必要な選択肢を選び抜き、より良い人生が送れるようにしたいものです。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。