料理はでき立てを出すのが当たり前?
そんな中、夫の地方転勤が決まりました。実家があり、ママ友がいるこの土地を離れてのワンオペ育児は、不安があります。また、保育園に入りやすく、私の復職を歓迎してくれる元職場があるので、いつかは仕事に戻りたい私はここを離れたくありません。
しかし夫には単身赴任という選択肢はありません。家のことを自分でやるのが嫌だからだそう。あまりに強引で、離婚が頭をよぎります。
次の休日も夫は、帰宅時間も食事がいるかも告げずに接待ゴルフへ。帰って来たのは22時過ぎで、「メシだ! ビールを持って来い! 今日のおかずは何だ?」と食事を要求します。
残しておいた夕飯のおかずを温めて夫に出すと「揚げ物が冷めてる! 料理はでき立てを出すのが当たり前だ!」と夫は文句ばかり。何時に帰るのかもわからないのにでき立てを出せないと私が言い返すと、それが気に入らなかったようで、またどこかに出掛けてしまいました。
こんな夫に、ますます引っ越しへの不安は募るばかりです。
神メニューを発見!
翌日、夫が何時に帰って来たのかはわかりませんが、朝から猛烈に機嫌が悪いのは伝わってきます。朝ごはんも食べず、そのまま出勤しました。
これまでは、なんとか機嫌を直してもらえるよう夫の言う通りに動いていた私ですが、今はもうそんな気持ちはありません。むしろ、このまま終わるのは納得がいかないので、一泡吹かせてやりたいと思っているくらいです。
そんな気持ちで娘とスーパーに買い物へ出掛けたとき、いとも簡単にでき立てを出せる神メニューに出会いました。私はそれを買い込んで家に帰り、夫の帰りを待つことにしたのです。
程なくして、機嫌が悪いままの夫が帰って来ました。「メシだ!」と仏頂面で食卓に座った夫に、私は心の中でガッツポーズ! お望み通りでき立ての食事を出してあげました。
いつでもでき立てがお好みならコレ!
「なんだこれは!?」私が出した神メニューに、夫は驚きを隠せない様子。
「これならいつでも3分ででき立て! いろんな具材も一度に楽しめてお望みどおりでしょ」私は満面の笑みでそう言いました。
私が見つけた神メニューというのは、カップ麺です。最近のカップ麺は本当に進化していて、種類も豊富でビックリしました。
目の前でお湯を注ぎ「待ち時間で書いて」と、用意しておいた記入済みの離婚届を隣に置きました。夫はどういうつもりだ? と明らかに動揺していましたが、私の決意は変わりません。
王様気分の夫に訪れた結末
プライドが高く、決して自分から謝ることを知らない夫は、ブツブツ言いながらも離婚届に記入し始めました。夫は、この先どんなに懇願されても手を貸すことはないと私に忠告しますが、育児にも家事にもノータッチだった夫に、今さら手を借りることはないでしょう。
そう伝えると、夫は顔を真っ赤にして怒り、そのまま一気に離婚届を書き上げてくれました。
その後、無事に離婚が成立。晴れて、手のかかる夫と離れることができました。元夫は激務で家事に手が回らず外食三昧だと、たまに会う義母から聞いています。でき立ての料理が食べられるのはいいけれど、食費が膨れ上がって生活は厳しくなっているのだとか……。
自分が今まで当たり前だと思っていたことが誰かの努力によるものだったと、いつか気付いてくれるといいなと思います。
激務の夫を献身的にサポートした結果、夫は何か勘違いしてしまったのかもしれませんね。自分のことは自分でやるのは当たり前ですが、激務でできないことがあるなら、せめて感謝を伝えるなどし、相手への思いやりを持てるとよかったですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。