楽しい同僚だけど、困ったクセが…
同僚のAさんは、明るくて話が面白くて、一緒にいると楽しい人。ランチタイムも盛り上がるし、仕事の相談にも気軽に乗ってくれる、いい人なんです。
ただ、ひとつだけ困ったクセがありました。
それは、人のデスクにあるものを勝手に使って返さないこと。そう、借りパク常習犯だったのです。
ペンや付箋といった会社の備品だけでなく、デスクにしまっておいたハンドクリームや、冷蔵庫にキープしていたチョコまで。
「返して」というと「あ、ごめん!」と返してくれるのですが、言うまでは絶対に返してくれません。
ましてや彼女が持ち出した現場を見ていないと、なかなか毎回「私のを持っていかなかった?」と聞くのも、疑っているようで悪いし……(実際疑っているのですが)。
とてもストレスになっていました。
ある日、会議室で部長のペンを発見
ある日、会議室の後片付けをしているとき、部長がペンを忘れていることに気づきました。
以前、お子さんがバイトの初給料で買ってくれたと、「あまり高くないものだけど、うれしくて」と話していたものです。
大切なものだからすぐに渡さなきゃと思いつつ、まずは片付けが先。お茶碗などを洗ってから渡そうと、自分のデスクにキープしておきました。
ところが、その間に同僚がそのペンを持っていってしまった様子。
しかも部長との打ち合わせで、そのペンを堂々と使っていたから、部長のほうが「あれ?」と思ったそうです。
部長の前で墓穴を掘る同僚
以下はその場に居合わせた別の同僚から聞いた話です。
部長は彼女に尋ねました。「そのペン、どうしたの?」
彼女は悪びれず、「会社の備品です」と答えました。
しかし、イニシャル入りのペンを備品と言い張るにはやや苦しく……。
「いや、それ僕のじゃないかな?イニシャルが入っているよね」
部長が問いただすと、彼女は今度はサラッと、私のデスクにあったから借りたと白状。
すると、同様に彼女の被害にあっていた周囲の人たちが次々に声を上げ始めたのは、彼女にとっても計算外だったようです。
「Aさんっていつも人のデスクから持っていくよね」
「私もやられて困った」
「特に、Bさん(私のこと)は隣の席で、たびたび被害にあっていて可哀想」
部長の前で約束させられる事態に
さすがに図々しい彼女も、いたたまれなくなったみたいで、真っ赤になりながら「今後は気をつけます」と部長の前で約束。
その後、彼女が私のデスクから何かを持ち出そうとするたび、周りの人が声がけしてくれるようになりました。
私自身も、「私じゃないものを預かっていることもあるから」と、釘を差すことができて、被害がなくなりました。
まさか、部長のペンが救世主になるとは……!
今では、彼女も以前のように気軽に話しかけてきますが、さすがに人のものに手を出すことはなくなってよかったです。
※AI生成画像を使用しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。