私の職場は男性ばかり
私の仕事内容は、部活動のマネージャーのように男性のサポートをすることでした。職場の男性は普段から女性には重い物を持たせないようにしてくれたり、体力が必要な仕事はすぐにフォローしてくれたりするような方々ばかりでした。
やさしい職場に甘えられない
私が妊娠したときにも「おめでとうございます!」と声を掛けてくれましたが、私は逆に「迷惑を掛けないように」という思いが強くなっていました。
つわりがひどいときにも、食事を無理やり口に詰め込んで食べたフリをしてはトイレに駆け込んでいました。私の心の中にはどこか「迷惑をかけているのではないか?」という不安があり、職場の方々のやさしさを素直に受け取れずにいたのです。
職場への勤務最終日
いよいよ産休に入る日。産休後は同じ部署に戻ることはできないため、寂しさを感じていました。他部署にあいさつまわりをし、自分の部署に戻ると同僚は誰もいません。皆が不在になることも多い職場のため、仕方ないと思いました。
上司にだけ「今までありがとうございました。」と言って帰ろうとしました。すると「ちょっといいかな?」と向かい側の倉庫に誘導されました。
倉庫には仕事に出たと思っていた同僚たちがいました。そして花束と腹帯を渡してくれたのです。腹帯は有名な神社で祈祷をしてくれていました。 男性ばかり数人で神社に行って祈祷までしてくれたことにうれしさで涙が溢れました。
妊娠中に私に掛けてもらった温かい言葉と、サプライズで頂いたプレゼントは5年経った今でも宝物です。腹帯も生まれてきた娘の産衣にして着せました。娘は同僚たちのやさしい声を毎日聞いていたからか、大人はみんなやさしいと思える幸せな子に育っています。
著者:桜井ゆめ/40代女性/2015年生まれの男の子と、2020年生まれの女の子の母です。職業は保育士。毎日ドタバタしながらお笑い息子&娘と笑顔いっぱいの毎日を送っています。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)