どうしよう…怒らせちゃったかも
ある日、スーパーで会計をするためにレジに並んでいたときのこと。片手で娘を抱っこし、カバンから財布を出すのに手こずっている私は、狭い通路をカートがふさいでしまっていることに気づいておらず……。そこに、20代後半くらいの、金髪で派手なギャル風の女性がカートを押しのけ通路を通っていきました。私はすぐに「すみません!」と謝ったのですが返事はなく、そのまま女性は去ってしまいました。「私の声が小さかった?」「怒らせてしまったのかも」と内心落ち込みながら、なんとか会計を済ませます。
そして商品の袋詰めをしようとすると、「すみません」と突然誰かから声をかけられました。驚いて振り向くと、なぜかさっきの女性が立っていました。「さっきのことで怒られる……!?」とビクビクしましたが、なんと女性は笑顔で「これ袋詰めしちゃってもいいですか?」と言うのです。女性は、娘を抱えている私を見て袋詰めを手伝おうと引き返してきてくれたのでした。袋詰めを終えると女性は「娘さん、かわいいですね」とニッコリして、イヤホンをつけて去っていきました。もしかして最初に私が言った「すみません」は、イヤホンで音楽を聞いていて気づかなかっただけなのかも? と思い、当初の落ち込んだ気持ちも晴れていったのでした。
女性は娘にも笑いかけながら、手際よく袋詰めをしてくれました。派手な見た目で怖い人だと勝手に判断してしまったことを反省し、自分も快く他人を助けてあげられるような心の持ち主になりたいと思った出来事です。わざわざ引き返して手伝ってくれた女性の気づかいには、とても感謝しています。
著者:伊藤まりな/20代・ママライター。1歳の娘を育てるママ。娘が生後7カ月のときに復職。夫は残業で帰宅時間が遅く、平日はワンオペに奮闘。子どもを寝かしつけたあとに、こっそり食べるスイーツが日々の楽しみ。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)