家族に関心のない夫は、具合の悪い義母の病院に付き添うこともなければ、娘とゆっくり話す時間もとってくれません。少しは家族に歩み寄ってほしいのですが……。
義母が入院、夫のひどい発言
ある日、そんな義母が入院することになりました。医師は覚悟するようにと。それを聞いた夫は、義母の心配ではなく、葬儀の準備をしなければと言い出したのです。
義母がまだ生きているのに葬儀の準備をするなんて、私は気乗りしませんし、ひとりで準備するのも不安です。しかし、夫は忙しいから葬儀屋との打ち合わせは私に任せる、お見舞いにも行く意味がない、働いて稼いだほうが合理的だと言いました。
義母の葬儀で娘がまさかの態度…
義母の葬儀の後に、夫から連絡がありました。
「母さんの葬儀で娘が爆笑したせいで恥をかいただろ!」
「お前の躾はどうなってんだよ」
「親子そろって出ていけ!」
娘の気持ちがよくわかる私は、あっさりとこう返しました。
「あっそう、じゃあね」
私の態度に困惑する夫に、私は思うことをぶつけました。結婚してから面倒ごとを夫に押し付けられてきて、もう限界だったのです。
それを聞くと、夫は逆上して葬儀で笑った娘を責めます。しかし、娘がそんな態度をとった理由もわからないのは、彼が家庭を顧みてこなかったからにすぎないのです。
私と娘を追い出した夫を襲った悲劇
それから3カ月後、「反省してるなら帰ってきてもいいぞ」というメッセージが夫から届きました。しかし、私たちには帰る気などさらさらありません。私は、夫と離婚して娘とふたりで暮らすつもりなのです。
すると夫は、離婚はともかく娘に葬儀での件を謝罪させろと言い出しました。そこで私は、娘の行動の理由を説明することに。実は、私と娘は義母から、虐げられていたのです。罵られたり、物置に閉じ込められたり、食事を奪われたり……。そんな義母の嫌がらせから解放され、娘は思わず笑ってしまいましたが、どんな理由であれ、人の死を笑ってはいけないと注意はしました。しかしながら私は、娘のされたことを思うと強くは言えませんでした。
もちろん、このことは以前から夫に話していましたが、夫は私の話も娘の話も聞こうとしなかったのです。そのつけが回ってきただけだと、私は夫に伝えました。さらに義母は、消費者金融から多額の借金もしていました。義母の葬儀の後すぐに私と娘を追い出した夫は、義母の遺品整理を何カ月も行なわず、各所からの通知や手続きも放置していたようで、借金を肩代わりすることになってしまったようです。
その後、私たちは離婚し、夫は義母の借金の返済に四苦八苦しているようです。私と娘は、新居に引っ越して、ふたりで仲良く暮らしています。
家庭のことをすべて妻に任せきりで、自分はお金を稼いでさえいれば良いというのは、夫として、父親として、息子として、どうなのでしょうか。家庭での出来事や不安は、一緒に生活する者同士で共有し、解決したいものですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。