油断禁物!冬にも多い食中毒
梅雨や夏のジメジメした季節のイメージがある食中毒ですが、実は冬の鍋料理にも危険が潜んでいます。厚生労働省の発表によると、食中毒は年間を通して発生していて、冬も夏もあまり変わらないんです。
鍋は作りすぎて余ったり、残った出汁で雑炊を作ったりと、翌日に持ち越しがち。「冬だから大丈夫でしょ!」と土鍋をコンロの上に置きっぱなしにしていると、食中毒を引き起こしてしまう恐れがあります。
菌が繁殖する条件は「温度・水分・栄養」の3つ。水分がたっぷりで栄養が溶け出んだ鍋の中は、菌にとって快適そのものです。
また、鍋を直箸で取り分けるのも食中毒の原因に!口の中にはいろいろな菌がいるため、雑菌混入の原因になります。家族みんなで鍋を囲むときは、できるだけ取り分け用の箸を使ってくださいね。
実は危ない!取扱いに注意したい具材
白菜やねぎ、豆腐、豚肉など、いろいろな具材を入れて楽しむのがお鍋の醍醐味ですよね。いつも何気なく入れている具材が、実は食中毒の原因になるかもしれません。ここからは、取り扱いに注意したい具材を2つご紹介します。
患者数No.1!?”牡蠣”はしっかり火を通して
ノロウイルスは牡蠣やはまぐり、アサリなどの二枚貝に多く潜んでいて、十分に加熱せずに摂取すると感染する恐れがあります。なんとこのノロウイルス、食中毒の原因として患者数が一番多いのです。
ほとんどの食中毒菌は10万個から100万個以上の菌を取り込まないと発症しませんが、ノロウイルスは10〜100個と少量で下痢や嘔吐などの症状が出てしまいます。
ノロウイルスをやっつけるためには、中心温度85度以上で85〜90℃秒以上の加熱が必要。牡蠣は加熱しすぎると硬くなってしまうので、ついつい早めに取り出したくなりますが、グッとこらえてしっかりと火を通しましょう。
傷みやすい”豆腐”はその日のうちに食べきるべし!
鍋の定番具材として欠かせない豆腐。淡白な味わいなので、どんな鍋に入れてもマッチしますよね。
そんな豆腐は水分が多く、菌が繁殖しやすい食べ物なんです。
開封後はあっという間に風味が落ち、変色したり、酸っぱい臭いがしたりするので、翌日に持ち越すのはNG。鍋に入れたものは、その日のうちに食べきるようにしましょう。
食べきれなかった鍋の保存法
食べ残した鍋は保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存し、2〜3日で食べきりましょう。
土鍋に入れたままキッチンに置いておくのはNG。土鍋は保温力が高く、中の温度が下がるまでに時間がかかってしまいます。
菌は10〜40℃の間で増殖するので、できるだけ短時間で粗熱を取るのがポイントです。浅い保存容器に小分けして表面積を増やすと早く冷めますよ。
暖房がついていない部屋に置いて粗熱をとり、すぐに冷蔵庫に入れましょう。
グツグツ沸かして菌を撲滅!
保存した鍋料理はコンロで温めてから食べましょう。菌をやっつけるには75度で1分以上の加熱が必要。グツグツと沸騰させることで、ほとんどの菌は死滅しますよ。
意外と侮れない!冬の食中毒に注意
具材がたっぷり入ったアツアツの鍋には、食中毒の危険がいっぱい。冬だからと油断してキッチンに出しっぱなしにすると、土鍋の中が菌だらけになるかもしれません!
食中毒を防ぐためには、具材にしっかり火を通したり、小分けにして冷蔵保存したりといった工夫が必要です。
今回ご紹介したポイントをおさえて、鍋を安全に楽しんでくださいね。