破かれたドレス
義姉は「こんなペラペラの安いドレスでは私たちが恥をかく」といつもの口ぶりです。このドレスは何着も試着して決めたお気に入り。しかし何を言っても無駄だと思い、私は無視することにしました。
そんな私の態度が気に食わなかったのか、義姉は「着られないように台無しにしてやる」と言って、突然ドレスをビリビリに……。さすがにぼう然とする私を見て、義姉は「こんなんじゃ結婚式は中止ね」と満足そうに部屋を出ていきました。
義姉と入れ替わりに入ってきた母と式場スタッフは、ビリビリのドレスを見てびっくり。スタッフは代わりのドレスを探すと言って、慌てていました。しかし母は「まだ時間はある、私に任せて!」 と言います。
そこから先は大忙し。スタッフは式場中から使えそうな布を集め、母は必死に針を動かしました。そして式の開始ギリギリに、母特製のリメイクドレスが完成!
個性的なドレスになりましたが、予想外に良い仕上がりで、わが母ながら感心してしまいました。
式は大盛り上がり!
ドレスをお披露目した瞬間、会場からは大歓声が上がりました。司会者さんが母のリメイクだと紹介すると、「こんなドレス見たことない」「最高のドレスだね」と口々に言われ、会場は拍手で包まれます。
披露宴は予想外の大盛り上がりをみせましたが、式が台無しになることを望んでいた義姉は不満そう……。自分も注目を集めたくなったようで、このドレスが出来上がったのは自分がドレスをビリビリにしたおかげだと猛アピールを始めました。
しかし式の出席者は、その話を聞いてドン引き。言い分が言い分なので、盛り上がっていた会場がシーンとしてしまいました。
すると義姉は、自分を称賛してくれないことに苛立ち「しょぼい招待客しか呼べない結婚式なんて、最初からすべきではなかった」と吐き捨てて、会場を出ていきました。
義姉を待ち受けていた罰
唖然とする招待客に対し、義両親は平謝り。しかしみんな義両親に同情してくれ、式は無事おひらきとなりました。
義姉はというと、会場を出てすぐに式場の支配人に呼び止められたそう。義姉は信じられないことにナンパと勘違いし、ノコノコとついていったよう。しかしついていった先に用意されていたのは、ダメにしたドレスの請求書。
ブランド物の高いドレスだったので、新車の車が買えるくらいの金額です。破いたときの映像が式場の見守りカメラに残っているので、言い逃れもできません。
もちろん義両親も手助けはしません。無職の日々も終了。ドレスを弁償するためには、働くしかありません。
義両親もドレスのお金を払い終わったら家を追い出すと言っています。夫からも、義姉はいないものと思っていいと言われたので、遠慮なくそうすることにします。
不安だった義姉との関わりも、これで一件落着。夫や義両親と幸せな毎日を送っています。
義姉の行動は本当に許せませんが、それによって得た式の盛り上がりは、かけがえのないものになったのではないでしょうか。これから先の人生にも予期せぬ出来事が起こるでしょう。それをどう捉え、どう対応するかが大切だと感じさせられました。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。