この日も、トイレに行く回数は最低限でした。トイレに行ってもナプキン交換の音を聞かれたくなかったため、ナプキンが経血を結構吸っていても「まだ大丈夫だ」と着け続けてしまっていました。
そして1日の授業が終わり、椅子から立ち上がったときです。ふと、自分の座っていた椅子を見ると……座面が赤いことに気づき、一瞬で「生理の血が漏れてしまったんだ」と悟りました。周囲にバレないようおしりを壁側に隠し、こっそりおしりを触ってみると……やっぱり、手には経血が。
椅子は拭けばどうにかなりそうですが、汚れた服はどうしようもありません。この日は上着や着替えなど何も持っておらず、服が汚れたまま帰らなければならない……。周りの人に見られてしまう、生理だとバレてしまうと私は頭が真っ白になってしまいました。
すると……クラスメイトがスッと近づいてきて……。「これを腰に巻いて帰りな」と上着を差し出してくれたのです。彼女とはあまり話したことはありませんでしたが、きっと彼女も初潮を迎えていたのでしょう。私が経血漏れをしてしまった様子を見て、助けにきてくれたのだと感じました。
教室から生徒がいなくなったタイミングで汚れた椅子を拭き、その子から借りた上着を腰に巻いて私は帰宅。このときの恩は一生忘れません。
そしてこの一件で、生理は毎月憂うつな気持ちになるけれど、ナプキンを交換することは恥ずかしくない、むしろそれで失敗し服や下着を汚してしまうほうが恥ずかしいのでは、と考えられるように。経血を吸ったナプキンを着け続けるのは肌にもよくないですし、「ナプキン交換が最低限なんていいことない!」と学びました。大人になった今でも、生理中はこまめにトイレに行き、ナプキンを交換するよう心がけています。
著者:小林かえで/30代女性・女の子と男の子を育てるほぼ毎日ワンオペママ。
作画:ちゃこ
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)
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