異動先の部長はクセ強男!?
私は33歳の会社員で、この度、管理部に配属されることになりました。印刷会社の管理部は、印刷物の設計、仕様の検証といった基本業務をはじめ、協力会社への発注、印刷物の品質チェックなど、重要な仕事が多い部署です。
異動初日、部署のメンバーに挨拶をすると「君かぁ、地方から戻ってきた社員は」と見下すような態度をとってくる人物がいました。それは部長。彼は時代錯誤の「クセ強男」として本社では有名なよう。
部長は初日に飲み会を開催すると言い、私がお酒は一滴も飲めないからと断ると「そんなの関係ない!飲みにケーションだ!」と言い放ちます。圧の強い部長に辟易していると、同じタイミングで本社異動となった次長がかばってくれて、飲み会には行かずに済んだのですが……。
私を冷遇しようとする部長
翌日、デスクワークをしていると、部長が大量の書類を持ってやってきました。そして「君、大学は出たのかい?」と聞きます。私が「いえ、高卒です」と答えると、「低学歴の分際で僕の飲み会を断ったのか。低学歴は一生コピーでも取ってろ!」と罵倒してきたのです。
さらに、「飲み会を断るような世間知らずには、それなりの教育が必要だな」と告げ、その場を後にした部長。どうやら飲み会を断った私を、冷遇する気でいるよう。
私は警戒し、部長の行動を観察していると、彼は私だけにひどい態度をとっているのではなく、自分の仕事をほかの社員に押し付けるなど横柄な態度をとっており、その理不尽さに私は怒りが込み上げました。
一方で、私を守ってくれた次長は高圧的な部長とは真逆のやさしい性格。社員たちに笑顔で声をかけフォローする次長は、部下たちからとても好かれています。
部長に反撃!
それから1週間後。私がいつも通りデスクワークをしていると、部長が「のど渇いたんだけど~気付かなかった? さっきからずっと待っているんだけど」と私に嫌味。
さすがに頭にきて私が、「はい? 私にお茶を持って来いと?」と反論しても、部長はまったくうろたえず「さっさと頼むよ。まったく察しが悪いなぁ」と言い放ちます。
お茶くみまでさせようとする部長にしびれを切らせた私は、ぴしゃりとこう言いました。
「喉が渇いたならお茶はご自身でいれたらどうですか? 私も忙しいので、飲みたいならどうぞご自由に」
すると、イライラした部長が「上司に向かっていい加減にしろよ? お前みたいな使えない部下なんていらねえよ」と激怒します。
まさかの事実が明らかになり…
怒りをぶちまける部長に対し、私は冷静に言いました。
「いつ私があなたの部下だと言いました? 私、あなたの上司なんだけど」
これを聞いた部長は、きょとんとしています。
実は私、社長の意向で異動と同時に専務に就任していたのです。しかし部長は、私が地方の支社から戻ってきたという情報だけを聞き、格下だと勝手に判断していました。
まだ信じられない様子の部長に、「じゃあ本人に確認してみましょうか?」と私は社長に電話。
「もしもし? あ、お父さん?」
そう、この会社の社長は私の父親なのです。私を次期後継者と考えている社長は、専務をしながら現場を学ばせるために管理部へ配属したのでした。
クセ強部長の悲しい末路
この事実を知った瞬間、真っ青になる部長。すぐさま「い……いやあ、専務。ご栄転おめでとうございま」と手のひらを反しますが……。
時すでに遅し。私へのひどい言動だけでなく、日常的におこなっていた部下に対するパワハラまがいの行動は、私を通してすべて社長に伝わっています。数々の悪事がバレ部長は地方に転勤になったのですが、本人は納得いっておらず逆ギレして会社を辞職。その後は妻から離婚を告げられ、再就職もうまくいかず途方に暮れているそうです。
部長が去った後、次長が部長を引き継ぐこととなり、管理部はとてもいい雰囲気に。その様子を見届けた私は、専務として社長を支える業務を開始したのでした。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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