私が結婚することをどこからか聞きつけてきた美人な妹。「お姉ちゃんみたいなブスが結婚できるなんて……」と言われるのは予想の範囲内でしたが、妹はさらにとんでもない発言を繰り出してきたのです……。
ちやほやされるのは美人の特権?
「ブスなお姉ちゃんを選んだ新郎って、すっごく目が悪いんでしょうね~」と私を煽ってくる妹。「どうせブスの花嫁姿なんて見たい人もいないだろうし、式も挙げないんでしょ?」と決めつけてくる妹にムッとした私は、結婚式の詳細を伝えました。
私も婚約者も、平凡な顔立ちではありますが交友関係は広いのです。友だちや仕事仲間、さらには親戚やいとこたちまでみんな参加したいと言ってくれたので、結婚式には200人以上が集まってくれることになっていました。
それを聞いた妹は「は?ブスのくせに私よりも目立とうとしてんじゃないわよ!」「そういう豪華でたくさんの人が集まって新婦をちやほやする結婚式は、私みたいな美人だけに与えられた特権なのよ!」とイライラ。
「あなたより私が目立つ日が1日くらいあったっていいじゃない」と言っても、妹のいらだちはおさまりませんでした。
しばらく経って、何かを思いついたらしく、口元をにやりと歪めた妹。そして、とんでもないことを言い出したのです。
「そうだわ、お姉ちゃんと同じ日に私も結婚式をすればいいんだわ」
救われた母の言葉
1週間後――。
「ねぇ、あの子から連絡あった?」「あなたと同じ日に結婚式をするって言って聞かないんだけど……」と母から連絡が。
どうやら、妹は本気で私と同日の挙式を考えているようです。
「まったく、あの子ったら……」とため息をつく母。両親ともに妹の美貌については認めていますが、あの高飛車な性格はどうやっても直らなかったのです。
「招待客の皆さんが私の結婚式に来てくれなかったらどうしよう……」と不安をぽつりとこぼすと、「あの子の方が非常識なふるまいをしてるんだから、堂々と式をあげなさい」「妹の結婚式を選ぶような人は、これからの人生に関係ない人ってわかるじゃない」と母。
その母の言葉に救われて、私は予定通り結婚式の準備を進めることができたのです。
私を馬鹿にした妹の結婚式は…
そして迎えた、結婚式当日――。
「人生で一度きりの大事な結婚式なのに、誰も来ていないんじゃない?」と妹から連絡が。「でも泣いちゃダメだよ、ブスは泣き顔もブスなんだから!せっかく捕まえた旦那さんに逃げられちゃうよ!」とどこまでも失礼なことを言ってきます。
「ブス女が人生で唯一輝けるチャンスだったのにw」
「お姉ちゃんの式の参列者を奪っちゃってごめんねw」
「こっちは全員揃ってるけど」
「え?」
彼が選んでくれたドレスは私によく似合っているし、会場の飾りつけはとても素敵だし、今日の私は誰がなんと言おうと輝いています。準備を進めながら、今日は最高の1日になりそうだと思っていました。
さらにうれしいことに、招待客は誰一人として、妹の結婚式には行きませんでした。私の結婚式を選んで、私たちを祝福してくれたのです。誰に対しても誠実に生きてきてよかった、と心から思いました。
「なんで!?美男美女の結婚式の方が絶対に楽しいはずじゃない!」「みんな最初だけお姉ちゃんの結婚式に顔出して、すぐに私たちの結婚式に来てくれるもん!絶対そうだもん!」とわめく妹。しかし、その妹の希望は見事に打ち砕かれるのでした。
その後――。
結局、妹の結婚式には新郎のご両親しか来なかったそう。そのご両親も事情を聞くやいなや、怒って帰ってしまったそうです。さらに結婚式会場にはカメラマンがいたそうなのですが、あまりに閑散とした会場に絶句していたそう。
両親に対しても、妹は「親のくせになんで娘の結婚式に出席してくれないの!?」と逆ギレ。母に「外見がいくら綺麗でも、他人を踏みにじるようなバカ娘の結婚式には行きません」「実の姉に嫌がらせするような娘はもう知らないわ。今後一切実家には帰ってこないでちょうだい」と言われて、ようやく自分のしでかしたことの重大さに気付いたようです。
人の口には戸が立てられぬ、とはよく言ったもので、妹の性格の悪さは周囲の知るところとなってしまいました。精神的にも参っているようですが、今までの妹の行動を考えれば自業自得と言わざるを得ません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。