パニック中に冷静さ取り戻せた言葉とは?
初めて見る光景に、私も夫も完全にパニック状態。そんななか、夫と手分けして、かかりつけの産婦人科と小児科に電話で状況を説明したところ、「救急車を呼んだほうがいい」と言われ、震える手で連絡したのです。
そして、駆けつけてくれた救急隊の方が、慌てふためく私と夫に向かって驚くほど大きな声で、「お母さん、お父さん、落ち着いて。大丈夫」と言いました。その声にハッとして、それから「お子さんを安心させてあげて! いつも通りやさしく声かけしてあげて!」となだめてくれたおかげで、冷静になりました。
その間に、ほかの救急隊の方が処置してくれたおかげで娘も落ち着き、救急車で病院へ行って、娘は無事に回復しました。不安や恐怖で取り乱してしまいましたが、救急隊の方や病院の方が落ち着いてやさしく対応してくれたので、冷静さを取り戻せて本当に救われました。
実はその後、娘が2歳のころにも熱性けいれんを起こしかけたのですが、当時の経験があったため、落ち着いてかかりつけの病院へ連絡して、首筋と脇を冷やし、衣服を緩めるなどの処置ができました。それ以降は熱性けいれんは起きていません。子どもの様子がおかしければ焦らずにはいられませんが、冷静さを失わずに迅速な対応ができるようにしようね、と夫と常日頃から話すようになりました。
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お子さんが熱性けいれんを起こしたら、唾液や吐物を詰まらせないように横向きに寝かせ、呼吸しやすいように顎を少しあげて気道を確保します。また、あとで医師に伝えられるよう、けいれんしている様子や時間を把握しておくことも大切です。5分以内にけいれんが自然におさまり、意識が回復したら、落ち着いて医療機関を受診しましょう。しかし、5分以上けいれんが続く場合や、意識状態、呼吸状態が悪かったり、けいれんを繰り返す場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
同じく高熱が出ている時に注意するべき行動として、熱せん妄があります。
熱せん妄とは、高熱に伴い意識がもうろうとしたり、つじつまの合わないことを言う、急に何かに怯え出すなど、普段とはあきらかに異なる言動がみられる状態を指します。
熱せん妄を起こしたら、外に飛び出したり、危険な物を口に入れたりしないよう、必ず近くで見守りましょう。また、幻覚や幻聴でパニックになることがあるため、不安にならないよう手を握ったり体をさすったりしてあげると良いです。しかし、熱せん妄と脳症は見分けにくいため、異常行動が1時間以上続く場合や意識障害がある場合、改善後に再び異常行動をする場合は、すぐに病院を受診しましょう。
著者:かどまつゆうこ/30代女性・会社員。フルタイム勤務。育児は割とワンオペ。
イラスト:あま田こにー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています