食べ過ぎが冷えを招く理由
血液がドロドロになり血行が悪くなる
現代人の食べ物は高たんぱく、高脂質、高カロリーの傾向にあります。1日3食おなかいっぱい食べると栄養過多になり、代謝しきれなかった老廃物がたまって血液がドロドロになることも。血液には体を温める作用があるため、血行不良になると体は冷えてしまいます。
血液が胃腸に集中して全身に行き届かなくなる
食べ物を消化吸収するのは体にとって大変な作業。食べ過ぎると胃腸に血液が集中し、末端の毛細血管まで血液が巡らなくなります。血流が行き渡らなくなると、血管が衰えて血液が流れないゴースト血管が発生。冷えの原因になります。
余分な水分がたまって冷えを生む悪循環に
食べ過ぎで血流が悪く代謝が低い状態で水分をとり過ぎると、体に余分な水分が滞留。水には体を冷やす作用があるので、さらに冷えてしまい悪循環に。
そもそも体が冷えるとなぜいけないの?
体が冷えると血管が収縮して血行が悪くなります。すると細胞に栄養が行き届かなくなったり、内臓の働きが低下して痛み、凝り、便秘といったさまざまな不調の原因に。また体温が1度下がると免疫力は約30%、基礎代謝は約12%低下します。
食べ過ぎを防ぐコツ
朝食を飲み物で済ませて食事では腹八分を意識
運動量は少ないのに高カロリーな食生活になりがちな現代人。美容と健康のためには1日3食なら腹六分、1日2食なら腹八分がおすすめです。
朝は排出の時間なので、味噌汁やしょうが入りの白湯など温かい飲み物で済ませて胃腸を休ませましょう。昼食も軽くして消化の良いメニューを。夕食は好きなものを食べてOKですが、できれば和食を中心とした粗食を意識すると◎。
食べ過ぎてしまったときはどうする?
年末年始などで食べ過ぎてしまった場合は、これをきっかけに「プチ断食」をするのも手。翌日の食事の1~2食を飲み物や味噌汁で済ませます。胃腸を休ませれば自然治癒力が高まり、デトックス作用も得られるでしょう。
体を温める食べ物はどんなもの?
寒いところで採れる・暖色系の「陽性食品」をとる
漢方には体を冷やす「陰性食品」と体を温める「陽性食品」があると考えられ、食べ物の色と原産地で区別されます。冷え性の人はできるだけ陽性食品をとり、内側から体を温めていきましょう。
陰性食品は青・白・緑などの寒色の食べ物、暑い場所、南でとれるものです。陽性食品は赤、濃いオレンジ、茶などの暖色で、寒い場所、北でとれるもの。同じような食品でも体への作用は異なります。
体を温める陽性食品
そば、玄米、黒パン、にんじん・ごぼうなどの根菜類、かぼちゃ、りんご、赤身の魚肉、納豆、味噌、醤油、黒砂糖など
体を冷やす陰性食品
うどん、白米、白パン、葉野菜、きゅうり、トマト、バナナ、キウイ、スイカ、白身の魚肉、豆腐、酢、マヨネーズ、白砂糖など
薬味やスパイスも活用
しょうが、ねぎ、にんにくといった薬味、こしょう、シナモンなどのスパイスには体を温める作用があります。陰性食品に組み合わせるなど積極的に活用しましょう。
発酵食品で血行アップ
味噌、納豆、漬物などの発酵食品は代謝酵素に関わるビタミンやミネラルが豊富。血行を促進し、体を温めてくれます。腸内環境も整うので免疫力を高める作用も期待できます。
まとめ
食べ過ぎを防ぐことは冷え解消につながるだけでなく、肥満や高血圧など生活習慣病の予防にもなります。冷え取りと健康は背中合わせ。できることからトライして、不調知らずの体を目指してみてはいかがでしょうか?
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/中澤夕美恵
出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。スポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ……。