青果のプロが教える!「柿の保存方法」
株式会社船昌は、2024年に創立100周年を迎えた、果物と野菜を専門とした商社です。
日本最大の青果物卸売市場である「大田市場」を拠点に、国内の青果を仕入れ、量販店への販売を手がけています。
今回は、そんな青果のプロ・船昌グループのInstagramで紹介されていた「柿の保存法」に挑戦します。
【常温保存】基本はヘタを下に
まずは、常温保存の方法です。
柿は追熟する果物なので、かたいと感じた場合はしばらく置いておくと、徐々に熟していきます。置くときに、柿のヘタを下向きにして保存するのがポイント。2〜3日でやわらかくなっていくようです。
理由を調べてみたところ、柿は気孔がヘタにあるという珍しい果物で下向きに置くことで呼吸量が制御され、フレッシュさがセーブできるのだとか。
柿に対してちょっと申し訳ない気持ちになる方法ですが、常温保存の際にはぜひ試してみてください。
早く食べたいときにはりんごと一緒に保存
まだ熟れていない柿を早く食べたい!というときには、りんごと一緒に袋に入れてみてください。
同じ品種で同程度の熟れ具合の柿を使い、比較実験をしてみましょう。左の柿はりんごと一緒に袋に入れ、右の柿はそのまま放置しました。
3日間放置する予定だったのですが、柿の色の変化が予想以上に大きかったので、急遽2日目にして実験切り上げ。
袋の上から見ただけでも、明らかに色が違うんです。
袋から出してみます。
右側の柿は、若干色づいたかな〜?という程度の変化なのですが、左はすり替えられたレベルの変わりようです。
りんごは追熟を促す作用のある「エチレンガス」を多く放出しているのだそう。
袋の中に一緒に閉じ込めたことで、りんごのエチレンガスのおこぼれにあずかったようです。
今後、りんごと一緒に袋に入る機会があっても(?)、急速に老けこみそうなので断ろうと思います。
気になる中身は、このような感じ。
糖度計がないので私の味覚頼りで判断すると、右の柿に対して左の柿は糖度2.5倍!
熟すことで甘みが増して、食感もジューシーに変化します。
りんごのエチレンガス効果が思いのほか絶大だったので、毎日見張っていないと食べ頃を逃してしまいそうですね。
【冷蔵保存】ラップで包んで野菜室へ
柿をたくさん買ったりもらったり。すぐに食べないときには、ラップで包んで野菜室で冷蔵保存すると長持ちするのだそうです。
野菜室に入れて1週間後くらいに様子を見てみましたが、まだまだかたくてほとんど追熟していませんでした。柿はあっという間に熟してしまうので、覚えておくと役立ちそうですね。
【冷蔵保存】長持ちさせたいときは冷凍!柿シャーベットに変身
長期間食べない場合は、冷凍保存しましょう。
軽く洗った柿をラップに包んでジッパー付きの保存袋に入れ、冷凍庫で凍らせます。これで、2〜3カ月は保存できるのだそうです。
半解凍状態にしてヘタの部分を切り、柿シャーベットにして食べる方法が紹介されていたので早速実践。
トロトロぷるん!きれいなオレンジ色をした果肉のお目見えです。
スプーンですくって口に運ぶと、ひんやりとした食感とともに、柿のみずみずしい甘みが口いっぱいに広がります。
砂糖類を使っていないのにまるで蜜を食べているかのような、天然のスイーツ感。年中アイス中毒の私にとって、かなり嬉しいレシピです。
うっかり熟しすぎて、そのままでは食べにくい柿の救済措置としても良さそう。
柿の追熟スピードはコントロールできる!
今回は、柿の保存法をご紹介しました。柿の保存法を知っておくことで、お好みの状態で召し上がれます。
また、船昌さんが運営するYouTubeチャンネル「船昌青果店」は、青果に関する知識が詰まっていて見ごたえ抜群。
すぐに活かせる情報ばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。