産休後の妊婦健診
産休に入ってほっとしたのも束の間、突然の事態が起こりました。診察で医師の問診があり、「お仕事はしていますか?」と聞かれたので、「はい。産休に入ったばかりですが、先日まで働いていました」と答えた私。
次に医師は「仕事の休憩中はゆっくり休んでいましたか?」と質問してきました。年末で忙しい時期に、引き継ぎの準備なども重なり、なかなかゆっくり休む時間が取れていなかったことを思い出していると、医師はこう言ったのです。
告げられた予期せぬ事実に後悔と涙
「赤ちゃんの発育が思っていたより遅く、小さいです。大きくなるまで治療します。もしかしたら出産まで入院することになるかもしれません」
診断名は「子宮内胎児発育遅延」でした。まったく予想していなかった医師の言葉に、私は頭が真っ白になりました。
医師が続けて話します。
「あなたが頑張り屋なことはわかります。赤ちゃんもきっとわかっています。でもね、きちんと休むことが今のあなたの仕事です。出産するまで自分のこと以外は何もしないで休むこと。赤ちゃんのためにも、それが今は何より大切です。自宅だとどうしても動きたくなってしまうでしょうから入院しましょう」。
私は、これまで順調だったはずなのになぜという気持ちと、赤ちゃんに申し訳ない気持ちで、涙が溢れました。
「妊娠したからといって仕事を疎かにできないという思いから、無理をしすぎていたんだ。赤ちゃんのためにもしっかり休むべきだった……」
と、これまでの生活を振り返って私は猛反省し、後悔したのでした。
その後、出産までベッドの上で1日中点滴をして過ごしました。そして、治療のおかげもあり、無事に元気な赤ちゃんが生まれてきてくれました。あのとき無理にでも入院させてくれた医師には感謝しています。私はこの経験から、妊娠中は無理をしないこと、妊娠期間は何が起きるかわからないので、早めの入院や出産の準備をしておくことが大切だと実感しました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:伊藤ゆいこ/30代女性/2018年生まれの女の子のママ。FP2級、証券外務員1種の資格を保有。以前は金融機関に勤務していたが、退職し、現在は在宅でライティング業務をおこなっている。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)