料理じょうずな母に父が放った最低なひと言
私の母は料理じょうずで、小さいころから毎日おいしいごはんを作ってくれていました。一方、医療従事者として働く父は家にいないことが多く、幼少期から学生時代までほとんど一緒に食事をした記憶がありません。
私が3歳の娘と帰省したとき、久しぶりに父と一緒に母の手料理を食べることになりました。食卓に料理が並ぶと、席に着いた父が真っ先に発したのは「前から思っていたけど、お前は本当に盛り付けがへただな!」という耳を疑う言葉だったのです。私は母の盛り付けがへただなんて思ったことはないし、父が母に対して急に暴言を吐いたことにも驚きました。父の怒鳴ったような言い方に、娘も怖がって泣き出す始末。母は「はぁ……」とため息をついて無言。腹が立った私は「それなら自分でやりなよ」と一喝。すると我に返ったのか、「俺はごはんの盛り方にこだわりがあるんだよ」とブツブツ言うも、私から指摘されたため、しぶしぶ席を立って自分でごはんをよそっていました。
そのとき、母から「お父さんね、男性更年期障害で感情の起伏が激しいのよ。しょうがないとわかってはいるんだけどね……」と教えてくれました。せっかく料理を作ってくれた母に文句を言うなんて、父が許せませんでしたが、父の体調も知らず、私も言い過ぎたかなと反省しています。家族間で起きたことですが、「親しき中にも礼儀あり」と改めて思った出来事でした。
著者:長嶺りょう/30代・ライター。3歳の女の子を育てるママ。寝る瞬間までおしゃべりを続ける娘の横で白目を剥きながら、大好きな推しのことを考えて現実逃避中。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)