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「あり得ない!」ホワイト企業が突然の経営譲渡…50代、塾講師の私がとった行動とは【体験談】

58歳になった今、改めて思うことがあります。中小企業の経営破綻はよく聞く話ですが、「まさか自分が勤めていた会社が……」と、想像もしていませんでした。

ホワイトな学習塾に入社

40代前半で入社したのは、学習塾。ブラック企業が多いと言われる業界でしたが、そこは珍しくホワイトでした。時間外労働はなく、休日出勤手当もしっかり出ました。社長の方針で、自由に意見を言え、授業の進度も担当者に一任される、風通しの良い環境でした。

 

ただ、少し気になったのは職員の平均年齢が高いことと、私を含め、みんなが個性の強い、いわゆる一匹狼タイプだったことでしょうか。

 

売上と生徒数が激減!?

入社して10年が経つころには、売上と生徒数は減り続けていました。入社時と比べて売上は3分の1、生徒数は4分の1にまで落ち込んでいました。

 

11年目に入ると、それまで頻繁に訪れていた銀行員の姿が見えなくなり、代わりに、見慣れない人たちが会社に来るようになりました。社長からは「経営コンサルタントだから丁寧に対応するように」と指示がありましたが、どう見てもコンサルタントには見えず、社内には徐々に不安が広がっていきました。

 

 

まさかの経営譲渡

そしてある日、全員参加の緊急職員会議が開かれました。社長は開口一番、「今月末をもってAさんに経営を譲渡します」と告げました。Aさんは関西に本拠地を持つ個別指導塾の経営者でした。私が勤めていたのは集団授業の塾。翌年からは全教室が個別指導塾になり、職員は講師から教室経営者へと役割を変えることになりました。

 

私は、集団授業で教えることに未練があり、同業他社へ転職することに決めました。50代半ばでの転職、それも会社が事実上破綻したような状況での転職は、想像もしていませんでした。

 

この経験を通して、見慣れない人たちが頻繁に会社を訪れるようになるのは、もしかしたら変化の兆候かもしれない、と考えるようになりました。そして、減収減益が続くと会社の経営体力が急速に弱まることを、身をもって知りました。

 

まとめ

幸いなことに、私は同業他社に正社員として採用されました。50代半ばでの正社員採用は難しいと聞きますが、長年塾講師を続けてきたことが評価されたのかもしれません。職場が変わっても、同じ仕事を続けることの大切さを実感しました。どんな状況になっても、自分の専門性を磨いておくことは、将来への安心材料になるのだと、今は心からそう思います。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:松田博人/50代男性・会社員。

イラスト:おんたま

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)

 

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