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「昔は父が…」おむつ交換で気付いた親子の愛。父を見送るまでのかけがえのない時間【体験談】

私の父は長い間、肺がんと闘っていました。治療を続けていたものの、やがて治療すら難しい状態となり、食事もほとんどとれなくなりました。

自宅での最期を希望する父

父は緩和ケア病棟に入院していましたが、「最期は家で迎えたい」という父自身の希望により、自宅での療養生活が始まりました。

 

そこからは、父の介護を中心とした日々が続きました。まだ60歳と若かった父ですが、介護保険を利用するために申請をおこない、要介護5という結果が出ました。トイレや入浴、食事といった日常のすべてに介助が必要な状態でしたが、家族みんなで力を合わせて介護に取り組みました。

 

今度は私がおむつ交換を

おむつ交換には最初、ためらいもありました。しかし、痩せて小さくなった父の姿を目の当たりにして、「昔はこの父が私のおむつを替えてくれていたんだ」と思うと、自然に感謝の気持ちが湧いてきて、受け入れることができました。

 

介助を通して、久しぶりに父と一緒にお風呂に入ることもありました。大人になってからは考えもしなかったことでしたが、照れくささの中にどこか懐かしさもあり、その時間は、今思えばかけがえのないひとときだったと思います。

 

また、家族そろって食事をする機会も増えました。普段はみんなそれぞれ離れて暮らしていたので、こうして顔を合わせて団らんの時間を持てたのは本当に久しぶりのことでした。

 

 

家族全員で父を見送れた

最期のころ、父は薬の影響で意識が混乱し、感情の起伏が激しくなることもありました。普段とは異なる言動に戸惑う場面もありましたが、家族全員で受け止め、しっかりと向き合うよう努めました。そして、私たち家族に見守られながら、父は静かに旅立ちました。

 

父が望んだ通り、家で最期を迎えられたこと、家族みんなで過ごせた時間は、私たちにとって何にも代えがたい、かけがえのない大切な思い出です。きっと父も、家族に囲まれたそのひとときを幸せに感じてくれていたのではないかと思います。

 

まとめ

この経験を通して、私たち家族の絆はよりいっそう深まりました。改めて、私はこの父の娘として生まれてきたこと、この家族の一員であることを、心から誇りに思います。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:椎名優子/30代女性・主婦。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)

 

シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!

 


シニアカレンダー編集部

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