一生懸命カフェオレを作る男性が
私が会計を済ませてコーヒーマシンのほうへ行くと、そこには60代後半くらいの男性とお孫さんと思われる男の子の姿が。男の子はスタイをつけていて、おしゃべりの様子から2歳くらいに見えました。
どうやら男性はカフェオレを作っているようで、ふと作業台に目をやると、空のガムシロップの容器が5つも並んでいます。それを見て、「ずいぶん甘党なんだな」と内心思いつつ、私はスムージーを作り始めたのですが……。
え、それを渡すの…!?
スムージーは出来上がるまで少し時間がかかるので、何気なく隣の様子を見ると、男性はカフェオレを手にして帰ろうとしている様子。おとなしく待っていた男の子が「じぃじ」と手を伸ばすと、男性はそのカフェオレのカップを男の子に手渡しました。
「大人が持っている物を持ちたがる年頃だよね」とほほ笑ましく見ていたのですが、次の瞬間、男の子はストローを口に運び、ごくごくとカフェオレを飲み始めたのです!
私は、その光景にびっくり! けれど、男性は慌てる様子もなく、それどころか「よかったね」と男の子に話しかけながら、店を後にします。男の子も初めて飲んだわけではないのか、飲み慣れているように見えました。
あまりの衝撃に、私は男の子がカフェオレを手に持ったままチャイルドシートに座らされ、男性の車が出ていくところまで、見送ってしまったのでした。
「子どもにとってカフェインや糖分はNG、なるべく控えるべき」と考えている私としては、男性と男の子のやりとりが衝撃的でした。もし自分の子どもに対して、両親や祖父母が同じようなことをしたら……? どうやって伝えるべきか、考えさせられる出来事でした。私は夫や両親、祖父母に「子どもへのカフェインはNGであること」「子どもがねだったとしても、しっかりダメだと伝えてほしいこと」を改めて共有しました。
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コーヒーやカフェオレ、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどにはカフェインが含まれています。大人にとっては眠気覚ましやリフレッシュにつながりますが、子どもには刺激が強く、睡眠への影響や落ち着きにくさ、胃腸への負担などが心配されます。そのため、特に乳幼児のカフェイン摂取は避けるよう、食品安全委員会などからも注意が呼びかけられています。
また、砂糖やガムシロップが多く入ったカフェオレは、1杯でもかなりの糖分を含みます。WHO(世界保健機関)が推奨する1日の糖分摂取目安量にすぐ達してしまうこともあり、肥満や虫歯のリスクを高めるだけでなく、味覚が育つ大切な時期に強い甘さに慣れてしまうことにもつながります。
祖父母世代の中には善意から「少しなら大丈夫」と考えてしまう方もいますが、悪気がないからこそ、「小さな子どもの体には負担が大きい」という理由を家族で共有し、あらかじめルールを決めておくことが大切です。その際、「代わりにこれをあげてね」と子ども用の飲み物を準備しておくと安心ですよ。
著者:秋本かなこ/30代女性。2019年生まれと2021年生まれの兄弟のママ。元気な兄弟とパワフルな毎日を過ごしている。
イラスト:ふー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)