家事は完璧にしろ!
夫に直接指摘すると、俺は働いているんだからいいんだと言い張ります。
夫のイライラはだんだんとエスカレート。お風呂場の掃除が甘い、使った皿をすぐに洗わないからキッチンがにおう、日用品は切らさないように管理しろ……いくら育児休暇中とはいえ、2人の子どものお世話をしている私には無理難題ばかり。
それに、ソファにどかっと腰を下ろしスマホを手放さない夫に、とやかく言われたくありません。なぜ自分もやろうと思わないのでしょう。
子どものお世話をしていたらそんなに完璧にはできない、と言うと、部長の奥さんは完璧にやっている、お前も見習えと偉そうな口ぶりで命令するのです。
稼いでいるほうがエラい!
夫の身勝手さは治まりません。最近では度を越してののしられるので、とうとう私もブチ切れました。それでも夫は「俺はお前より稼いでいる」「育休中で暇なのに家事が完璧にできないなんておかしい」「お前は俺に食わせてもらってる」と言います。
子育てのために育児休暇を取ったり時短勤務にしたりし、責任ある仕事からはずれてきた私と稼ぎを比較するなんて、がっかりでした。
夫は稼ぎが少ない分家事を完璧にやって当たり前と言って譲りません。 そこまで言うなら私にも考えがあります。
私はすぐに掃除機を手に取り、スイッチオン。隅々まできれいにするからと、夫をソファから追い出しました。夫は寝室でゴロゴロしようと思ったようですが、掃除をするために家中を喚起中! 寝室の窓も全開です。
「寒い、閉めろ」と言われましたが、完璧な家事のためにサッシの掃除をしなければならないと言って拒否しました。
そんな私を横目に、夫は出かけようとしていましたが、上着も全部洗濯中。靴も洗うために漬け込んでしまったので、外には出られないでしょう。
仕事のストレスを家族にぶつける夫
その日の夜は、娘の友だち一家を呼んで、たこ焼きパーティーをすることにしました。実はその友だち一家とは、夫の上司である部長の家族です。夫は知りませんが、偶然にも先日私と比較した部長の奥さんは、私のママ友だったのです。
夫に見習えと言われた私は、ママ友に「どうしたら家事が完璧にできるのか?」と聞いてみました。ママ友によると、それはかなり盛られている話だそう。
部長一家は夫婦でしっかり家事や育児を分担していて、家事代行などのサービスもうまく使っているとのことでした。ママ友は夫の言い分を聞くと、あまりの横暴さにびっくりしていました。
さらに、ママ友がこの話をご主人(部長)にも話したところ、夫は最近責任ある仕事を任されていて、大変なのだそう。そのイライラを家庭にぶつけているのではないか? と言っていたそうです。
そこで、私とママ友は今回の作戦を考えました。
夫の醜態に上司も苦笑い
わが家にやってきた部長は、「今日のたこ焼きは男性陣で振る舞おう!」と張り切っていました。ママたちは座っていてと言われたので、私は手伝うつもりはありません。
もちろん夫は器具や材料のありかもわからず、キャベツすら切れないでしょう。やりっぱなしが癖になっているので、何もかも出しっぱなしでキッチンはぐちゃぐちゃ。部長に呆れられ、ついにはチクっと釘を刺されていました。
「仕事も家事も同じだよ! 段取りをして効率的に進めて……ここまで家事を完璧にやってくれる奥さんに感謝しないと……」と苦笑いする部長に私は拍手を送りたい気持ちでした。しかし夫のプライドのためにも、聞こえないふりをしたのでした。
結局夫の“できなさ”の披露は、たこ焼きパーティーの終わりまで続きました。子どもに熱々のたこ焼きを食べさせようとする、お皿の裏まで洗えておらず油でベトベト……夫の醜態の数々を見て、ついに部長は「家事と育児って難しいだろ? 奥さんの苦労がわかってないね」とひと言。
部長に言われて、やっと夫は自分の至らなさに気付いたようでした。私はママ友と目を合わせてニンマリ! それ以来、半々に分担とまで言えませんが、夫も家事や育児をするようになり、完璧を求めることもなくなりました。部長とママ友には感謝しかありません!
子育て中の夫婦はチームのようなもの。どちらか一方だけが負担を負うのではなく、お互いが協力し合い支え合うことが大切ですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。