それから数カ月後、治療のステップを上げるため、転院が決定。今後は日中の急な受診が入ることも出てくるため、主任にその旨を伝えると、笑顔で承諾してくれました。
ところが後日、ゆずの勤務変更が多い理由を聞かされていなかった部長は激怒してしまいます。部長が怒っていると聞かされたゆずは、急いで部長の元に謝りに行きました。事情を伝えると、「大変だねぇ……。頑張ってね!」と労いの言葉をかけてくれた部長。
この一件は収まったものの、後日別の事件が発生。不妊治療の際、排卵誘発剤を使ったことで、体に異変が起こってしまったのです。ひどい腹痛や吐き気に襲われたゆずは急きょ入院することに……。
それからしばらく経ち、退院日を迎えると、部長から電話がかかってきました。部長は、「そんなに頻繁に休まれたら困る」と言い、「不妊の原因はどちらにあるのか?」というデリートな部分に追求してきました。ゆずは黙っていられず「込みいった話はできない」と伝えると、部長はブチギレてしまって……!?
電話でブチギレる上司。その怒りはまったく収まらなくて…
「今のあなたの状況を部長会議でも報告しますから」
この言葉にゆずは思わず言葉を失ってしまいます。
やるせない憤りを感じていると、
ロッカールームで後輩が話しかけてきました。
「お久しぶりです~! 体はもう大丈夫ですか?
大変でしたね~!」
ゆずは迷惑をかけたことを謝罪すると、
次の瞬間、後輩から耳を疑う発言が飛び出しました。
「私も将来子どもできなかったらどうしよ~?」
「治療とか必要になったら嫌だし!
お金ももったいないですよね!」
その後もデリカシーのない発言を繰り返す後輩に黙っていられず……。
「なんで治療している人の前でそんなこと言えるの?」
真顔でそうに言葉を返したのでした。
入院をしていたゆずさんの体を心配したかと思ったら、デリカシーのない発言を立て続けに口にした後輩。恐らくこの後輩は不妊治療をどこか他人事として捉えていたのでしょう。本人に悪気は一切なかったと思うのですが、不妊治療に対する知識や理解が乏しかったため、言っていいことと悪いことの分別がつかなかったのではないかと思います。ただ、知識や理解不足だったとしても、相手の気持ちを少しでも想像することができていたら、発する言葉も違っていたのかもしれないですね……。
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