それから数カ月後、治療のステップを上げるため、転院が決定。その後は日中の急な受診の関係で勤務変更が多くなってしまい、部長を怒らせてしまったのですが、ゆずが直接謝罪に行くと理解してくれました。
後日、不妊治療の際に排卵誘発剤を使ったことで、体に異変が起こってしまったゆずは急きょ入院することに……。しばらく経って退院日を迎えると、部長から電話がかかってきました。部長からは「そんなに頻繁に休まれたら困る」「会議でも報告する」などと言われ、精神的に参ってしまったゆず。
さらに追い打ちをかける出来事が起こってしまいます。後輩が不妊治療をおこなっているゆずに対して、デリカシーのない言葉を次々と発してきたのです。耐え切れなくなったゆずは、「なんでそんなこと言えるの?」と言い返すのですが……!?
驚いた表情を浮かべる後輩。その直後、発したまさかの言葉は…
「ゆず先輩、もしかして……怒ってます……?」
後輩の言葉にゆずがイラッとしていると、そこに先輩が入ってきました。
「私も最近いろいろあってさ……」
「うーん……ゆずさんの前で言っていいのかな……。
実は……」
ためらいながらも、4人目ができてしまい、
中絶したことを打ち明ける先輩。
「妊娠しにくいのも大変だと思うけどさ……。
妊娠しやすいのも難ありというか……」
予想外の言葉に思わず手をギュッと握りしめるゆず。
先輩はゆずの年齢を聞くと、
「大丈夫! すぐできるから!」と言いました。
「なんなら不妊治療なんていらない歳なんじゃないの?
気にしすぎな部分もあるかもね!」
ゆずはその言葉を黙って聞いていたのでした。
中絶の話をするとき、先輩は若干ゆずさんに配慮をしている感じも見受けられましたが、不妊治療をおこなっている当人からしたら、聞きたくない話だったように思います。今回の先輩とゆずさんのように、お互いが真逆の立場であったとき、良かれと思って変にアドバイスをしてしまうと、相手を傷つけてしまう可能性もあるのかもしれません……。ゆずさんの表情がどんどん曇っているのが気になりますが、あまり気を病まないでほしいです。
※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。本記事の内容は、母体保護法 第14条 第1項 第1号「妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」に該当します。
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