すぐに謝罪をおこない部長とは和解をしたのですが、その後も不妊治療が原因で勤怠が乱れてしまったゆず。すると、そのたびに部長と言い合いになり、つらい気持ちになっていました。それに加えて、後輩や先輩からデリカシーのない言葉を言われたことで、心が限界に達してしまったのです。
退職を決断し、すぐに部長に伝えに行くと、部長は激怒してしまいます。しかし、ゆずは一歩も譲らず、自分の思っていることをすべて伝え、職場をあとにしたのでした。
その後すぐに新しい仕事探しを始めたゆず。悩んだ結果、妹が働きやすかったと言っていたのが決め手となり、パチンコ屋さんで働くことに。そんなある日、ゆずが休憩室で休んでいると、先輩が声を掛けてきて……!?
先輩のひと言を聞いた瞬間、過去の記憶が蘇ってきて…
「噂で聞いたけど……不妊治療してるんだって?」
「あ……」
先輩の質問に対して、前職の嫌な記憶がフラッシュバックしてしまったゆず。
なんて答えればいいのか戸惑っていると、先輩が口を開きました。
「ごめんね急にプライベートなこと……。
仕事の調整の関係でたまたま耳に入っちゃったんだ」
すると、先輩は自身が不妊治療をしていたことを話し始めたのです。
「体外受精、大変だよね。仕事まともにできないし、
お金も時間もかかる。薬で体調だって崩れるし、
何より1回あたりのプレッシャーが凄すぎてさ……」
「周りの目もずっと気にしてた。職場の視線、親の視線……」
先輩は自分の体験を話し終えると、ゆずに向かって「応援してる」とエールを送ってくれました。
「うちの職場って結構治療経験者が多いんだよ!」
「……え!」
先輩の言葉を聞いたゆずは、思わず驚いてしまったのでした。
不妊治療の経験があった先輩は、自分が大変でつらい経験をしていたからこそ、ゆずさんが不妊治療中という事実を知ったとき、放っておくことができなったのでしょう。不妊治療はセンシティブな問題なので、働く職場でこのように自分の状況を理解してくれる人が身近にいるというのは、安心感に繋がりますよね。ゆずさん自身も以前の職場で不妊治療ハラスメントを受けるなど、嫌な経験をしてきましたが、この職場では理解してくれる人がいるので、安心して働けるのではないでしょうか。
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