「逃げて!」義姉のメッセージ
できれば彼の家族とは仲良くしたい私は、なんとかお姉さんに認めてもらえるように一生懸命話をしていました。それでもお姉さんは、私を見ようともしません。
しかししばらくすると、お姉さんは家族に見つからないようにテーブルの下からスマホの画面を私に見せてきました。画面には大きく「逃げて」と書かれています。一体どういうことでしょうか。
戸惑っていると、次は「帰って! 5時に◯◯に1人で来て」という画面に切り替わります。お姉さんが指定したのは、彼の実家の最寄駅にあるカフェ。よくわからないまま、5時に指定された場所に行くことにしました。
義姉から聞かされた彼の秘密
カフェで再度顔を合わせたお姉さんは、先ほどと打って変わってやさしそうな雰囲気。これを聞いてと差し出されたスマホには、彼とその両親が話している会話が録音されていました。
彼は両親のために結婚相手を探していたよう。将来は同居して、妻に両親の面倒を見させる。お金も夫婦で稼いで養うから2人は心配するな。結婚しても一番大切なのは両親……そう話す彼は、私が知っている彼ではありませんでした。
お姉さんは「こんな弟と両親でごめんなさい」と私に謝ったのち、彼の本性を教えてくれました。彼は度を超えるマザコンで、一生母親と離れないといつも言っているそう。すべてを信じることができませんでしたが、思い当たることはあります。
彼は時々、同居を匂わせたり、新婚旅行に親を招待したいと言ったりしていました。家族を大切にする人なのだと思っていたのですが、たしかにマザコンと言われたらそんな気もします。
見え隠れする本性
そう思い始めたら、彼の行動は気になるところだらけ。クリスマスも、私に買ってくれたプレゼントの3倍するものを義母に買っていました。「君の両親と過ごせる年末年始は今年が最後だね! 来年からずっとうちの実家で過ごそうね!」と当たり前のように言われたときはゾッとしました。
お姉さんの言うことは本当かもしれません……。私は結婚をやめたいと彼に告げました。
しかし彼は諦めてくれず、私に猛アタック! そこで私は、絶対に同居はしないこと、親の介護はそれぞれが担当すること、実家への経済的支援は両家平等にすることを誓約書にして、サインを求めました。サインをしてくれたら、結婚を考えてもいいと思ったのです。
誓約書を前に彼は固まってしまい、サインはしてくれませんでした。それがすべての答えです。
婚約破棄の裏側で…
その後、もう一度だけお姉さんに会うことがありました。お姉さんは結婚をやめたことを喜んでくれ、自分も家族とは縁を切るつもりだと話してくれました。マザコンすぎる母と弟、あまりに他人に依存しようとしている家族にはうんざりしていたそう……。
私が婚約を破棄したときも、彼や両親は私を引き止めるよう必死だったよう。夜な夜な作戦会議をしていたと聞きました。
もし結婚していたらと思うとゾッとします。お姉さんには感謝しかありません。もう会うことはないと思いますが、お姉さんの幸せを心から願っています。
親離れできていない彼・子離れできていない義母では、結婚生活が不安ですね。親を大切にするのは素敵なことですが、両親のお世話をするために結婚相手を迎え入れるのは違和感を覚えてしまいます。
女が男の家に入り、義理の両親をサポートする時代もあったようですが、これからは夫・妻、それぞれの両親を大切にできるといいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。