自分たち家族が同居したほうが義両親も喜ぶと言い出した義妹。子どものいない私たち夫婦と住むより孫がいたほうが楽しいだろうし、自分の夫のほうが稼ぎがいいので、義両親に迷惑がかからないと言います。
しかし本当に、私たち夫婦を追い出して、義妹たち家族が同居することで義両親は喜ぶのでしょうか……。
義妹から誤解され放題の私
義妹は、ことあるごとに私に文句や嫌味を言ってきます。
お昼にお寿司を出前し、義母と一緒に食べていたときです。洗い物は義母がしてくれると言ったので、私は器をそのままにしてゆっくりテレビを見ていました。そこに、義妹がふらっとやってきて、その様子を見てため息をついたのです。そして、「家賃も出していないくせに、家事で恩返ししようとは思わないのか」と言ってきました。
他にも、私が自分のお金で車を買えば、それにも文句をつけてきます。私が義両親を抱き込んで買わせたと思っているのです。確かに、私は働いてはいませんが、お金を持っていないわけではありません。
私たち夫婦は、義実家に引っ越してきてから、いくつもの家電を買い替えています。最近は、電気代を抑えられて、家事の手間も省けるような高性能で便利な製品がたくさんあります。高齢の義両親の負担を少しでも減らしてあげたいと考えての買い替えなのです。
しかし、それも義妹は無駄な出費だと考えるよで、「義両親にお金を使わせてばかりいないで、早く出ていけ」と言われてしまいました。すべて自分のお金で買っているのですが、義妹には信じてもらえず誤解されてばかりで悲しいです。
しびれを切らして強行突破する義妹
「お義姉さん、いつまで実家に居座るつもり?」
「寄生虫は出ていけ!」
いつまでも出ていく気配のない私たち夫婦にいらだった義妹は、ついに追い出そうとしてきます。しかし、義両親は義妹一家との同居を望んでいません。
「今すぐ謝って!」
「え?」
私のスマホに届いた義妹からのメッセージに気づいた義母が、もう我慢できないと、自ら返信しました。
実は、義両親にはお金がなく、義妹一家とは暮らせないのです。そのため、義妹から何度も同居を誘われても、そのたびに義両親は断っていました。
そもそも、義両親にお金がないのは義妹のせいなのです。
義妹は結婚する前に、不倫をしていて多額の慰謝料を請求されています。さらに、クレジットカードを上限まで使い借金を背負うなど、金銭的な問題を抱えていました。それらすべてを、支払い能力がない義妹に変わり、義両親が支払うことになったのです。その支払いが、今でも続いているせいで生活が苦しく、義両親は、私たち夫婦に助けを求めてきました。これが同居の真相です。
今の義両親の生活は、私たち夫婦が支えています。そのため、支えにならないだけにとどまらず、邪魔にすらなるような義妹一家の同居は、まったく歓迎されないのです。
真相を打ち明けた義母は、私への直接謝罪を義妹に求めました。それができなければ、絶縁するそうです。
「二度あることは三度ある」
この一件で、私に資産があるとわかった義妹は、急に猫なで声で甘えてきて……。
お金を援助してほしいと言い出しました。義両親と同居するつもりだったので、住んでいる家の賃貸契約を打ち切ってしまったそうです。実家ではなく、どこか他のマンションへ引っ越すとなると、お金が必要だと言います。貯金を切り崩したらどうかと提案しましたが、そんなものはないのだそう。
その上、夫に内緒にしている借金があると言い始めたのです。義両親がにらんだ通りの展開に驚きました。きっとたかってくるだろうから、一銭も出してはならないとすでに言われています。
義両親がお金を肩代わりしたときも、もう二度とこんなことはしないと誓った義妹。またお金を渡したら、同じことを繰り返すだけです。義両親もその経験があるからこそ、私たちに金銭的な援助は求めてはいません。多少生活費を私たちが多く出すこともありますが、協力し合って生活しています。ただそれだけなのです。
義妹は、私がいじわるをしているとギャーギャー騒ぎ立てますが、私には小さな子がわがままを言った泣いているようにしか聞こえません。しかし彼女はもう立派な大人。問題を解決しようとせず、人から差し伸べられる手を待っているだけではダメです。
その後、彼女は借金が夫にバレ、離婚。親権も取られてひとりぼっちになった今は、借金の返済をするために、がむしゃらに働く毎日のようです。義両親と同居する私たち夫婦は、今でも仲良く毎日楽しい生活を送っています。
同じ失敗を繰り返さないよう、改心したり、努力したりするためには、自らがしっかりと問題に向き合い、反省することが大切なのですね。家族だからといって、一方的に助けるだけでは相手のためにならないのかもしれません。ときには、頼ることも必要ですが、なんでも甘えるのではなく、自分の行ないにはしっかりと自分で責任を取れる大人でありたいですね。
【取材時期:2024年11月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。