学生時代に野球に没頭していた夫。今は地域の少年野球のコーチとして熱心に活動しています。ママ友の子どもたちもその少年野球のチームに属しているため、コーチとしての良い評判は私のもとにも届いていました。
しかし、子どもの誕生日よりも少年野球の活動を優先する夫に、次第に私は不満を持つように。家庭のことを考えてほしいと何度言っても、「俺ほど優秀なコーチはいないから、やめられない」と言って夫は聞いてくれませんでした。
ある日、「大事な話がある」と切り出した私。それに対して、夫も「俺も大事な話がある」と返してきて……?
ママ友と関係を持った夫
「じゃあ、あなたから先にどうぞ」と、話す順番を譲った私。
「実は俺……お前のママ友と関係を持ってしまった」と夫。私は自分の耳を疑いました。
そのママ友は、私も親しくしている人。彼女の息子が今年の春から少年野球チームに入ったとは聞いていましたが、まさかそんなことになっているとは……。
「はじめは子どもの野球についての相談を受けていたんだけど……次第に家庭の相談まで聞くようになって」「だんだんお互いの距離が近くなって、気づいたらそういう関係になっていて……」という夫。私は目の前が真っ暗になりました。
「彼女が妊娠したから俺は男として責任を取る!離婚してくれ」
「私も妊娠したんだけど?」
「え?」
私が夫に話したかったことは、妊娠したことだったのです。
「私も妊娠して、おなかに守らなきゃいけない命があるのよ?」「なのに、私には責任を取ってくれないの?」「私、絶対に離婚してやらないから」
勝手に離婚届を提出した夫
その日の夜――。
「離婚届、提出してやったからな!」とメッセージを送ってきた夫。
「お互いが離婚に承諾していないと、離婚はできないわよ」と冷静に返しましたが、夫は「そんなん知ったこっちゃねぇよ!」「これでようやく俺は彼女と一緒になれるぜ!」「今日からその家には帰らないからな!」とどこ吹く風。
「安心してくれ、養育費と慰謝料はそれなりに払う」「男としてけじめは大事だからな!」「とりあえず俺の全財産、お前の口座に振り込んでおいてやったぜ!」
慌ててスマホから口座残高を確かめると、桁が増えていました。まさか本当に全部振り込むなんて……。ついさっきまで離婚届の取り下げを考えていた私ですが、これなら十分に息子と暮らしていけるだろうと考えをあらためていました。
「あなたなりのけじめ、ちゃんと見せてもらったわ」「出された離婚届を取り下げるのも難しいらしいし、一括で慰謝料をもらえたと思えばかなりラッキーだし」「離婚に同意するわ」
不倫相手の手のひら返し
「それじゃ早速、俺は彼女に連絡しないと」「きっと離婚成立したって聞いたら大喜びするだろうな~」と浮かれる元夫。そこで、私は別のママ友から聞いたことを話すことにしました。
「……迷惑がられるんじゃない?」「あの夫婦、再構築を選んだらしいわよ」
なんなら彼女は、「コーチに騙された」「相談のお礼をしろって関係を迫られた」と被害者ヅラをしているそう。少年野球チームのママ友グループでもいろいろ話しているらしいので、元夫の評判が下がるのも時間の問題でしょう。夫は否定しましたが、きっかけはどうあれ、私を裏切ったのは事実です。
「土日返上で無料で尽くしてきたのも、浮気相手探しのためだって言われてるらしいし」「そんな情けない男が父親だなんて息子もかわいそうだから、いいタイミングで離婚できたと思うことにするわ」と私は夫に伝えました。
その後――。
元夫は噂のせいで少年野球チームのコーチを解任されることに。会社にも噂は広まり、肩身の狭い思いをしているようです。浮気相手のママ友も、旦那さんに常に監視される厳しい生活を送っているらしいとママ友伝いに聞きました。
私は夫から振り込まれたお金のおかげで、経済的な心配もなく、子どもと幸せに暮らしています。
【取材時期:2024年10月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。