原因は幼馴染のA子。ばったり再会したらしく、夫は彼女と頻繁に飲みに行くようになりました。それだけでなく、私に事前に聞くことなく、彼女を突然家に連れてくることも増えてきたのです。
夫の様子が変わった理由
「また来ちゃった! あなたが知らないこの人のこと、いっぱい知ってるの。彼のことは何でも聞いてね♡」
A子は、そんな調子で私の前で夫の昔話を楽しげに語ります。夫もニヤニヤしながらそれに応じ、私の心にはモヤモヤした感情が募るばかりでした。
カフェで仕事を始めた私は、何か楽しい話題を夫に共有したくても、「疲れてるからまたあとで」と聞き流される始末。次第に、夫との距離が遠くなっているように感じていました。
義実家にも幼馴染が……
ある日、義母の誕生日を祝うため、夫と一緒に義実家を訪れることになりました。ところがその道中、夫が「A子も一緒に来るから」とさらりと言ったのです。
義母には子どものころからお世話になったらしく、A子も誕生日のお祝いに同席したいとのこと。突然の話に私は驚きましたが、反対する間もなく、A子はすでに義実家にいました。
久しぶりに再会した義母は、大喜びでA子を迎えました。「てっきり息子はA子ちゃんと結婚すると思ってたわぁ♪」と嬉しそう。夫は「こいつは家族みたいなもんだからさ」と言いますが、私にとっては赤の他人。目の前で夫にベタベタされて、いい気がするはずがありません。
私の心は張り詰めた糸が切れるように傷つきました。でも、そこでふと気づいたのです。「私は夫としっかり話し合えていなかった」と。
本音をぶつけた夜
その帰り道、私は夫に思い切って話しました。
「最近、あなたとの時間が寂しいの。A子さんと距離が近づくにつれて、私たちの距離が遠くなっているのが悲しくて……」
夫は私が思いつめていることを初めて知り、驚きながらも真剣に聞いてくれました。
「本当にごめん。昔話に浸るのが楽しくて、ついA子のことばかり優先してしまっていた。君を傷つけていたなんて気づかなかった。」
そして続けて言いました。
「これからは君を大切にする。2人でまた楽しい日々を取り戻そう」
その言葉に、心がふっと軽くなった気がしました。
新しい未来へ
そのあと、夫はA子との距離を適切に保つよう、気を付けてくれるようになりました。家に呼ぶこともなくなり、夫婦の時間が増えました。カフェでの仕事の話を楽しそうに聞いてくれる夫の姿に、安心感が戻ってきました。
ある日、体調の変化に気づいて病院へ行くと、おなかに小さな命が宿っているとわかりました。
「家族が増えるんだよ」
私の報告に、夫は目を潤ませて「ありがとう」と繰り返しました。あのとき、勇気を出して自分の正直な気持ちを夫に伝えてよかったと思っています。これからは新しい命とともに、穏やかな日々を歩んでいきます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。