そんな私たち夫婦でしたが、子どもは諦めようと決めた途端に妊娠が発覚。私はうれしくて、すぐに夫に報告しました。しかし、あまり良い反応をしなかった夫。子どものことより、私の仕事に対する心配ばかりをしていました。
産後の仕事をどうするのかなんて、今からはっきりとは……。
働く意欲はありますが、実際に仕事を再開できるという確証はないと正直に話すと、夫は私が自分に寄生するつもりだと感じたようです。自立した私が好きな夫は、がっかりし、見損なったと憤慨。そんなつもりはまったくないのですが……。
産後帰宅したら、衝撃の光景が…
その後、無事出産した私。里帰り出産から戻ると、家がとんでもないことになっていました。なんと、夫が不倫相手を連れ込み、同せいしていたのです。
私のいない間に、夫は昔から好きだった女性に偶然再会。ちょうど失恋したところだと聞いた夫は、いよいよ自分にチャンスが回ってきたと思ったらしいのです。そして、思い切って告白し、OKしてもらったと言います。私とは離婚し、彼女と再婚すると言います。
私は夫が何を言っているのか、意味がわかりませんでした。「あなたの子よ」と、子どもの顔を見せても、「お前が産んだ子なんてかわいくない」と、顔を背ける夫。
「俺の財産が目当てなんだろ?」
「寄生虫女は出ていけ!」
「赤ん坊も連れていけよ」
ひどい言葉を投げつけられた私。
「いいけど、本当に大丈夫?」
私がそう聞くと、夫は私なしでもやっていけると。それを聞いて、私は出ていくことに決めました。
見栄っ張りの嘘つき夫
私は、将来的に何かあったとしても、夫を支えていくつもりでした。養う覚悟もありましたが、不倫相手が夫を支えきれるのか、不安になりました。夫を心配して聞いてみると、彼女は資産家の娘だと言います。美人でお金もある、憧れの女性と結婚できるとあって、夫は有頂天でした。
調子に乗った夫は私に、「別れるついでに教えてやる。お前と結婚したのは、彼女と少し似ていたからだ」と言いました。そして、「代替品はもういらない」と。
翌日、不倫相手から呼び出され、謝罪され、「許してほしい」「彼をください」と懇願された私。彼女は養育費もきちんと支払うと言ってきましたが、私は丁重にお断りしました。夫には伝えていませんでしたが、私には早くに亡くなった両親が残してくれた億単位の資産があります。なぜ夫にそれを打ち明けなかったのかと、不倫相手から問われたので、教えてあげました。
実は夫は、とんでもない嘘つきなのです。私は、いつか夫が自ら秘密を打ち明けてくれるだろうとずっと待っていました。どうやら夫は彼女にも嘘をついているようですが、彼女は夫が嘘をつくような人だとはまったく思っていない様子。
私が夫の経済状況を暴露すると、彼女はあ然としていました。信じられないといった様子でしたが、調べてみればわかることです。自分は金持ちだと吹聴している夫ですが、貯金ゼロの一文無しなのです。月給は低いのに、見栄を張って役職付き社員のような額を私に報告し、足りない分を毎月借金で埋め合わせていたのです。
寄生していたのはどっち?
私の話を聞いて、夫の経済状況を調べた不倫相手。彼女に捨てられたと、私のところへ夫が怒鳴り込んできました。何を吹き込んだのだと夫は怒っていましたが、私はあくまでも事実を伝えただけです。
夫は私に自分の秘密がバレていないと、ずっと思っていたようですが、私はその事実を結婚前から知っていました。夫からお金を返してもらえない義弟から、すべて聞いていたのです。
そこで夫は、疑問に思ったようでした。なぜ私は、お金に困る自分と結婚したのかと。前にも伝えてはありましたが、純粋に一緒にいたら楽しいし幸せだと思ったから、私は夫と結婚したのです。
資産があるのでお金の心配はなかったと伝えると、夫は私が本当に自分に寄生するつもりがなかったとわかったようで、急に態度を変えた夫。謝罪し、復縁を求めてきました。しかし、代替品と言われたあのとき、一気に夫への愛が冷め、目が覚めた私。子どももかわいくないと言われ、もはや夫の存在は目障りでしかありません。
その後、離婚が成立し、私はシングルマザーになりました。1人で子育てするのは大変なこともありますが、今しかできない貴重な時間を大切にして、楽しもうと思います。見栄っ張りの嘘つき元夫は、今どこで何をしているかわかりませんが、後悔し、反省してくれていればいいなと思います。
◇ ◇ ◇
俺の財産が目当てなんだろ?という夫の言葉は、きっと自身の経済力の不安や、嘘をついている後ろめたさなどから出た言葉だったのですね。借金をしてまで稼ぎを良く見せたいという見栄やプライドは、さすがにどうかと思ってしまいます。妻に資産があったおかげで慰謝料や養育費が発生していませんが、これに甘んじることなくしっかりと自分の行ないを反省して、これからは誠実に生きていってほしいですね。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。