カレーなのに「不思議な味がする…」
その料理とは、カレーでした。動画で作り方を見た「牛すじカレー」を作ると言うのです。家族で食材を買い出しに出かけると、夫は得意げに食材をカゴの中に入れていました。
私は普段、カレーを作るときに鶏肉か豚肉しか使わないため、なかなか高級な牛すじ肉や赤ワインなどを選ぶ様子に期待が膨らみます。長時間煮込む必要があるため、帰宅後、夫は早速調理に取り掛かりました。
夫が調理している間、私はたまっていた録画のテレビ番組を見てのんびり過ごしていました。すると、仕上がりの段階になり味見をした夫が、なぜか不思議な顔をしてこちらを見ていたのです。
「ちょっと味見してくれない? 何かが足りない気がする……」と言う夫。差し出されたカレーを味見したところ……私の口から出た言葉は、「不思議な味がする」でした。カレーなのに、カレールーの味を掻き消すほどの酸味と苦味がありました。
夫に話を聞くと、牛すじを煮込む際に赤ワインをほぼ使い切ったと言うのです。液体のほとんどが赤ワインでできたカレーの威力はすさまじく、その後、私が水を入れたり、コンソメやカレールーを入れたりしても、すべて負けてしまったのでした。
この一件以降、夫は家族に手料理を振る舞う際は、まず1度私に作り方を教わってから実践するように。誕生日や私の体調が悪いときはキーマカレーやオムライスなどを作ってくれています。娘が離乳食を卒業した現在も、夫は娘に自分の作った料理を食べさせたくて、気になるレシピを時々私に教わりにくるのでした。
著者:一条 零/30代女性。2021年生まれの女の子のママ。正社員で平日勤務をしながら、ほぼワンオペで子育てに奮闘中。
イラスト:ふー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)