実は、そうではなかったのです。夫のいとこの息子が超優秀なお子さんで、それをねたみ、ライバル視していただけだったのでした……。
そして、それは義母も同じで、ある日2人がコソコソそんな話をしているのを、私は偶然聞いてしまったのです。
義母に追い詰められて病院に行くと…
夫の会社が上向き始めたころから、私は毎日のように義母から連絡を受けるようになりました。内容は子作りの催促。「子どもはまだか?」と聞かれ続け、ノイローゼになりそうでした。
義母は仕送りを止められてしまうことを心配してか、夫には絶対せかすようなことはしません。催促の連絡は私にだけ。私は悩みを抱え切れなくなり、夫に打ち明けました。
夫は面倒そうにしながらも義母に注意してくれましたが、義母から私への連絡が止まることはありませんでした。それなら、前向きになろうと病院へ行った私。なかなか授からない理由を知れば、状況が変わるかもしれないと思ったのです。
しかし、検査の結果……。
私は妊娠しづらい体質であることが判明。気持ちが余計に沈んでしまいました。そんな落ち込んでいる私に、病院の待合室で1人の女性が声をかけてきたのです。
その女性は私を妊婦だと勘違いし、エコー写真を譲ってほしいと言ってきました。不審に思った私は、何も答えずにその場を去りましたが、一体あれは何だったのでしょう……。
冷たくなった夫、突きつけられた離婚届
帰宅後、私は夫に診断結果を報告。とても言いにくかったのですが、夫なら受け止めてくれると思っていました。しかし、予想に反して夫の態度は急変。私のことを突然、ののしりはじめ、義母にも連絡。夫と義母は、私を責め立てたのです。
そして、何としてでも優秀な孫を得ようと、義母は私にありとあらゆるお祈りや妊娠にまつわる迷信を実行させました。私は年中、義母から「子どもを産めなきゃ嫁の資格なしね」と言われ、その言葉に苦しめられ、寝ているとき夢の中にまで義母が現れるように……。毎晩のようにうなされて、もう限界でした。
夫はだんだんと家を空けることが多くなり、私にも家にも寄り付かなくなりました。そして、私の頭に『離婚』の二文字が浮かぶようになったころ、事件が起こったのです。
めずらしく夫が早く帰宅したと思ったら……。
一緒に義母と、1人の女性を連れてきました。「あれ? この女性、前にどこかで会ったような……」と、考えていた私。夫が離婚届を机に叩きつける音でハッと我に返りました。
夫は、新しい妻を迎えるためにいろいろ動いていたと告白。なんと、子作りにも励んでいたと言います。義母は浮かれた様子で私に、「新しい嫁とバトンタッチしてちょうだい!」と……。
私はあきれて、何かを言い返す気も起こりませんでした。こんな人たちとは、もう一緒にいられないと思い、その場で離婚を受け入れました。
夫と義母に天罰…?縁を切って大正解!
儲かっているからと、慰謝料も大盤振る舞いしてくれた夫。
これからどんなことが待っているのか、夫はわかっていないようだったので、私は少し心配になりましたが、くれると言うのでお金はしっかり貰いました。
離婚後、実家で暮らしていた私のもとに、ある日突然乗り込んできた夫と義母。興奮気味に、父を出せと言います。話を聞くと、夫の会社の取引先が、次々に取引解消を申し出てきて、会社が大変なことになっているそう。その取引先は、どこも父の会社とつながっていると言います。嫌がらせをされたとわめく夫と義母ですが、父は何もしていないと……。
父以外に誰も知らなかったのですが、結婚後に夫の会社が上向いたのは父のおかげだったのです。知り合いの会社に、夫の会社への取引をお願いしたのだと聞いて驚きました。私の離婚を知った父の知り合いの会社の社長さんたちが、夫の会社と次々に手を切ったのでした。
結局、その半年後に夫の会社は倒産しましたが、取引先の減少だけが原因だったわけではなさそうです。私とバトンタッチした新しい奥さんがだいぶくせ者だったようで……。
実は彼女も妊娠しづらい体質で、それをごまかすために人からエコー写真を買い取り、夫と義母に見せていたのです。私が以前、病院の待合室で声をかけられた女性が、彼女でした。そうとは知らない夫と義母は、彼女を甘やかし、お金も言われるがまま、じゃんじゃん渡していたそう。そして、夫のお金が底をついたころ、なんと彼女の不倫が発覚。さんざんな結末を迎えたようです。
私はあれから新しい出会いに恵まれ、再婚。私の体質も受け入れてくれて、大切にしてくれる夫と、夫婦2人で幸せに暮らしています。離婚して大正解でした。
◇ ◇ ◇
子どもが好きで子どもを望んでいたわけではなかった。さらには見栄のためだったとわかっただけでも、かなりショックだったはず……。その上、妊娠しにくい体質だったとわかりどん底の状態で、罵倒されるだなんて、妻の気持ちを考えると心が痛みますね。そんなひどい人たちと、縁を切れて本当に良かったです。
取引先からも縁を切られてしまうのですから、夫は仕事もひどい人だったのかもしれませんね。妻も仕事も失い、これから大変な人生を歩んでいく上で、しっかりとそれまでの自分の行ないを反省し、心を入れ替え、誠実に生きていってほしいものです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。