機械式立体駐車場は、マンションなどでよく見られる駐車場の形式です。マンションの住人にとって立体駐車場の機械操作は、車を利用するたびにおこなうので慣れると意識しなくなってきます。正しく使用すれば安全な機械なのですが、子どもが関連する事故が発生した事例もあります。今回は事故事例と、機械式立体駐車場を使用する際に注意したいことをまとめました。
身の毛もよだつ事故事例とは?
平成29年8月に消費者庁へ寄せられた、機械式立体駐車場で起きた事故事例をご紹介します。怪我をしたのは3歳の女の子です。
「保護者が出庫操作をおこなっている際、女の子は前面ゲートに覆いかぶさって遊んでいた。そのままの状態で前面ゲートが高さ2mほどに上昇し、前面ゲートと入出庫口の天井のはりに頭が挟まれて、宙づりになった」
この女の子はすぐに救助されたので、事なきを得ました。しかし、一歩間違えたら取り返しのつかない結果になっていた可能性もある、怖い事例です。
立体駐車場の特徴から見る事故の理由
機械式立体駐車場は、自動車を載せる台(パレット)が上下や左右に動く構造になっています。そのため、パレット周辺にはたくさんの隙間や段差があります。この隙間などに子どもが挟まれたり、段差で転倒したりする事故が発生しているのです。
また、子どもの事故が起こるもう1つの理由として、出入庫の際には利用者本人が操作盤を操作しなければならず、その場を離れられないということが考えられます。そのため、子どもが死角に入ってしまったときや、操作に気を取られているときに事故は起きやすくなります。
絶対に子どもをひとりにしないこと!
機械式立体駐車場で発生した事故のうち、現場が一般のマンションであった割合は約半数を占めています。駐車場の機械操作は、操作する本人が駐車装置内に人がいないことを確認した上でおこない、絶対に子どもから目を離さないようにしましょう。
特に複数人の子どもを連れているときには、事故のリスクも高くなるため、十分注意しなければいけません。小さな赤ちゃんを抱っこしながら、動きたい盛りのお兄ちゃんやお姉ちゃんと手を繋ぎ、ジッとさせておくのは大変なことですが、子どもたちにも危険であることをしっかり伝えましょう。
機械式立体駐車場は構造上、落下や転倒の危険が伴うこと。さらに車を軽々動かす重機でもあるため、子どもが事故を起こしてしまうと死亡などの重篤なケースになる得ることも忘れてはいけません。絶対に子どもをひとりにしないよう、細心の注意を払いましょう。