慎重派な息子と好奇心が強い娘
近所にある支援センターは、普段からよく遊びに行っており、在籍の保育士さんとも顔なじみになるほど行き慣れた場所です。2歳を迎えた双子たちは行動範囲が広がり、性格の違いもはっきりしていきました。
息子は慎重派で、私がそばにいるか確認をしてから動き始めます。一方で、娘は興味のあるものを見つけると、迷わず突き進む好奇心旺盛タイプ。そのため、私は普段から娘の行動に注意を払うようにしていました。
あれ?どこへ行ったの!?
その日、支援センターの室内で息子がつまずいて転び泣いてしまったため、私は息子のそばに駆け寄りなだめていました。そのときふと、「あれ、娘の姿が見当たらない」と気づき、一気に血の気が引きました。
わずか一瞬、目を離しただけで娘の姿を見失ってしまったのです。焦る私の表情を見て、保育士さんもすぐに一緒になって娘を探してくれました。
頭の中は最悪な想像ばかり…
「誘拐?」「事故?」頭の中は最悪の想像ばかり浮かび、半泣きの状態で「なんで目を離してしまったんだろう」と自分を責め、娘の名前を呼びながらあちこちを探しました。支援センターはかなり広い施設で屋内と屋外にそれぞれ遊ぶスペースがあり、探す箇所も多かったです。
すると、トイレから「ママー」とあっけらかんとした表情の娘が駆け寄ってきました。保育士さんも「よかったー」と安心した様子で、私も叱る気力もないくらいホッとして、娘を強く抱きしめました。
後日、この出来事を私の両親に話すと、「お前も小さいころよく迷子になって必死に探したことがあったけど、そのときもトイレからあっけらかんとした表情で出てきていたよ」とのこと。
なんでも、小さいころの私は外出先でトイレに興味を持ち、ひとりで勝手にトイレに行っては家族を困らせていたそうです。娘にそんな性格が遺伝しているとは……と驚きつつも、なんだか笑ってしまいました。ただ、この経験を通じて、これからはさらに双子たちの行動に気を配る必要があると、身が引き締まる思いをしました。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)