新しい会社での仕事が始まり、最初のうちはどうなることかとヒヤヒヤしていましたが、何事もなく1週間、1カ月と過ぎていき、あっという間に試用期間の3カ月が終了。無事に正社員として働けることになりました。
しっかり休めて残業もすくなめ。お給料も贅沢をしなければ夫婦で暮らせるくらいはもらえます。夫はプライドだけは高く、入社する前は「零細企業で働くなんて……」とブツブツ言っていましたが、今では「小さい会社だから融通が利いて働きやすい」なんて言うように。上機嫌で働いているようなので、私も安心していました。
夫の誕生日をお祝いしようと思ったら…
入社して半年が経ったころ。夫の誕生日が近づいてきました。生活も安定してきたので、遅めの転職祝いも兼ねてちょっとだけ高級なレストランで食事でもしようかと提案しました。ですが、夫は明らかに嫌そうな顔……。
今さらデートみたいなことをするなんて、気持ち悪いと苦笑いされてしまいました。家でケーキと手料理を食べるだけで十分と言うので、すこし寂しいとは思いながらもそうすることに。
そして誕生日当日。最近は取引先との接待や同僚との飲み会が続いていて、2人で夜ごはんを食べることが減っていたので、今日はちゃんと帰ってきてほしいと伝えて送り出しました。ですが、夫にとって誕生日を一緒に過ごしたい相手は私ではなかったようで……。「会社の人が祝ってくれるから、飲んで帰る」と、夕方にメッセージが。その後、連絡がつかなくなってしまったのです。
張り切って準備したケーキや料理は私ひとりで食べることに。なんだか悲しくて涙が溢れてきました。結局、夫から連絡があったのは、日付が変わってからでした。スマホの着信音で目が覚め、寝ぼけまなこで電話に出ると……。
どうなってるの!?まさかの報告に呆然
「社長令嬢と再婚する」
「そうすれば俺が次期社長!」
電話口で、夫はうれしそうにそう言いました。何のことか聞き返すと、夫はすこし前から社長令嬢と付き合い始めたと話します。
「という訳でお前は出ていけ」
これまで夫が勝手なことをしても、たいていのことは目をつぶってきました。それは、気持ちだけは繋がっていると思っていたから。でも、どうやらそれは私の勝手な思い込みだったようです……。
私はわざと明るく「そう、おめでとう!」と言いました。夫はその反応に驚いていましたが、私が「次期社長ならお金には困らないはずだから、慰謝料はけじめとして払ってほしい」というと、すぐに了承。
帰ってきたら離婚届にサインしてほしいと伝えると「準備が早すぎない?」と苦笑いしながらも、サインをすると約束してくれました。
あれっ!?次期社長のはず…だよね?
実は少し前から通帳のお金が減っており、時期を同じくして夫がやたらと会食や飲み会に出かけるようになりました。家にいてもスマホとにらめっこしてばかり……。女の勘で怪しいと思い、私は探偵に夫の素行調査を依頼したのです。なので、不倫していることはわかっており、夫がどのような行動をとるのか見ていたところでした。
探偵からの報告によると、どうやら不倫相手の社長令嬢は取引先の御曹司とお付き合いしているようです。夫は社長令嬢に彼がいるとは知らないかもしれませんが……。不貞行為がバレたら、夫は次期社長どころか解雇になるでしょう。でも、慰謝料はしっかり払うと約束してくれたので、私はお相手と社長であるお父さまにも内容証明を送付しました。
案の定、会社は大騒ぎ。不倫相手の女性は夫から関係を強要されたと主張し、夫は会社にいられなくなり退職。行くあてがなくなった夫から謝罪と復縁希望のメッセージが毎日のように届きましたが、すべてスルーしてブロック。
もし次に恋愛をするなら、安定した生活を送れる人を探そうと思います。
◇ ◇ ◇
元夫は離婚してようやく、妻のありがたみがわかったかもしれません。これまでの自分の言動を省み、しっかり働いて慰謝料を払ってほしいですね。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。