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「つわりが始まったら働けるの?」友人社員を責める独身社長。同じ職場で働く友人3人の関係が崩壊して

これは、私の知人・Rさんが30代後半のときの体験談です。残業の多い職場で働くことに疲れたRさんは、会社を経営する友人に誘われ転職することに。友人同士で一緒に働く中、あることをきっかけに関係に変化が……女性の働き方について考えるきっかけになったという出来事を紹介します。

 

友人2人と一緒に新たな仕事を始める

残業の多い職場に勤めていた知人・Rさんは、結婚を機に、もう少しプライベートを大切にできる仕事に就きたいと、転職を考えていました。そんなとき、会社を経営する友人Aさんから「うちで一緒に働いてみない?」と誘われました。

 

もともと父親が経営していた印刷会社を数年前に継いだAさん。女性社長として会社を大きくするべく奮闘しているものの、先代のときから長年働いているパートさん数人を除き、新しく採用した人は、すぐに辞めてしまうことに悩んでいました。そこで、信頼できる人を雇いたいとの思いで、Rさんとさらに共通の友人Oさんに声をかけたのです。Oさんは専業主婦でしたが、子育てが落ちついてきたことをきっかけに、再就職先を探していたのだとか。「楽しく働けそう!」と思ったRさんとOさんは、Aさんの経営する会社で働くことを決意します。

 

子どもが生まれる前は経理職で働いていたOさん。就職後は社長であるAさんが主に営業を担当し、Oさんは事務のパート職、Rさんは正社員としてベテランパートさんたちと現場作業をおこなっていました。

 

仕事を始めた当初は、3人の関係性も良く、ランチに行ったり、どうしたら会社をより良くできるか話し合ったりと、やりがいを持って楽しく働けていたといいます。Aさんは「2人が来てくれたから、思いっきり外回りに集中できるよ!」と喜んでおり、Rさん自身も残業がなくなり私生活を充実させられたため、快適な職場だと感じていました。

 

育児中の働き方をきっかけに関係が悪化

ところが、数カ月働いたあたりから、AさんとOさんの関係性に変化が見られるようになります。子育て中のOさん。子どもの体調不良で会社を早退したり、欠勤したりということが少なくありません。子育て経験があれば理解できることではありますが、Aさんは未婚で子どももいませんでした。Oさん本人には言わないものの、Aさんは「こんなにしょっちゅう休むものなの?」「本当に体調不良なの?」と、愚痴をこぼすことが増えました。

 

それでもOさんは仕事をきちんとこなす人だったので、数日会社を休んでも業務が滞ることはありません。そのため、Rさんは口には出さないものの「仕事に支障が出てるわけじゃないし、子どもがいるとわかった上で雇ったのだから、Oさんにもう少し寄り添ってあげてほしい」と感じていました。

 

そんなある日、Oさんが妊娠したことが判明。Aさんは「すでにいる子どもの体調不良で早退や欠勤を繰り返しているのに、つわりが始まったら働けるの? まだ1年も働いていないのに無責任だよ!」と、不満を妊娠初期のOさんにぶつけます。Oさんも売り言葉に買い言葉で「じゃあ辞めます! 未婚の人にはわからないでしょ!」と怒って、会社を出ていってしまいました。

 

 

関係は改善せず、自分も退職することに…

OさんはAさんから一緒に働かないかと声をかけられたときから、子どもの都合で急な欠勤が増えるかもしれないこと、妊娠を望んでいることを伝えていたそうです。それなのに、妊娠報告をした際「おめでとう」のひと言もなく、責められたことが耐えられなかったのだと、後日Rさんに語ったそう……。

 

その後、Aさんの説得で出社したOさんは、その1日で残っていた仕事を片付け、そのまま本当に退職してしまいました。Aさんは「たしかに子育ては大変だと思うけど、もう少し会社のことも考えてほしいと思うのは、子どもがいない私がおかしいのかな?」とショックを受けた様子。私はというと、突然会社を辞めたOさんの言動は褒められたものではないと思いつつも、自分が妊娠・出産したらAさんの態度や働き方やどうなるのだろうと不安を抱きました。

 

それから数年間、そのままAさんの会社に勤めたRさん。その後、ついに念願の子宝を授かりました。Aさんは、Oさんともめたことで自らの考え方を反省したのでしょう。「出産・育児休暇を取れるようにするから、職場復帰してほしい」とRさんにお願いします。しかし、Oさんとの一件を忘れられなかったこともあり、Rさんは産後にAさんと一緒に良い関係で働けるのかどうか不安が拭えなかったそう。結局、出産を機に退職することを選びました。

 

まとめ

その後、Aさん・Oさんの態度に思うところのあったRさんは、2人と疎遠になっていったそう。結局のところ、友情も仕事も失ってしまったRさん。女性の働き方の難しさを痛感したと言います。社長として会社のために必死になるAさんの気持ちもわかります。従業員の少ない会社ゆえに、なおさらOさんの働き方が気になってしまったのでしょう。

 

ただ、育児中である状況や妊娠を考えていることを知った上で採用を決めたのはAさん本人です。もう少しOさんに対する理解が必要だったのではないかと思います。この話を聞き、もしも自分がこの先転職活動をすることになったら、将来的なライフプランをしっかり見据えて働き先を探さなければいけないなと実感しました。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:結城 菫/30代女性・会社員。要領のいい夫と2018年生まれのわが道を行く男の子、2019年生まれのひょうきんな女の子の4人家族。丁寧な暮らしに憧がれるズボラママ。仕事と家事・育児の両立にてんやわんやな日々を送っている。

イラスト/マメ美

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)

 

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