それがママ友のA子。彼女は近くのマンションに住んでいて、いつも週末になると息子を強引に預けて来るので困っていました。
週末になると子どもを預けにくるママ友
毎週のように突然朝息子を連れて家に来て、「今日もよろしくねぇ~! 私18時まで仕事だから!」と言って子どもを置いて行きます。A子は私の返事も聞かず、男の子をマンションの玄関に置いて行ってしまうのです。A子の夫は単身赴任中で、月に1度くらいしか帰って来られないといいます。
A子の息子はとても礼儀正しい子。夜までひとりにするわけにもいかず、私はしぶしぶ預かっていました。
衝撃の現場を目撃!
ある週末、私は娘と男の子のおやつを買いに外出。その帰り、若い男性と楽しそうに話すA子を見つけました。
「……仕事じゃなかったの?」
「毎週子どもを私に押し付けてデートしてたの?」
私は思わず声をかけました。A子は驚き、隣の男性も戸惑いの表情。どうやら彼には子持ちであることを隠していたようで、A子は彼と別れることになったそう。
後日、怒りのまま私の家へ押しかけましたが、私は「これからはもう、預かりません」と毅然と伝え、A子は文句を言いながら帰って行きました。
思いもよらない電話
それからA子が預けに来ることはなくなり、私たちは予定通り近くの一軒家へ引っ越しました。A子には知らせていません。
ある土曜の深夜、電話が鳴りました。A子からです。
「今日も預かってくれてありがと! 今から迎えに行くわ!」
「うち引っ越したからもうあのマンションには住んでないよ?」
電話の向こうで、A子が慌てています。
「えっ……? じゃあ、息子はどこにいるの?」
涙と決意
急いで一緒に探すと、A子と同じマンションに住むママが男の子を預かってくれていました。そのとき久しぶりにA子の夫が帰って来て、息子をやさしく抱きしめました。
「久しぶりだな。なんか……大丈夫か?」
男の子は、無言で小さく頷きました。A子は、涙ぐみながらそれを見つめていました。
私たちから事情をすべて夫に伝えると、深く謝罪してくれました。厳しく叱責されたA子は、涙を浮かべながら「本当にごめんなさい」とみんなに頭を下げました。
そして息子に「今までごめんね。これからはちゃんと向き合うよ」と伝えたのです。
男の子は驚いた顔をしながらも、ゆっくりと笑顔を見せました。
それからA子は息子を人に預けることはなくなったそう。私はそんなA子の変化を見て少し安心しました。
※子どもの置き去りは、保護責任者遺棄罪や児童虐待法違反などに当たる可能性があります。幼い子どもの置き去りは絶対にやめましょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。