ついこの前、食洗器をプレゼントしたばかりなのに、今度は冷蔵庫を義両親に贈ったと誇らしげに言う夫。その費用はすべて家計から出ていました。
私が自分の両親にも親孝行をしたいと言うと、「お前はうちの嫁になったんだから、自分の親よりも俺の親を優先しろ!」と夫。しかも、私の両親へのプレゼントは私の稼ぎから出せと言うのです。
私の不満が募っていたある日、義母から連絡がありました……。
義母のお礼の連絡で生まれた疑惑
どうやらプレゼントの冷蔵庫が届き、古い冷蔵庫の引き取りと新しい冷蔵庫の設置が完了したようです。
「冷蔵庫が届いたわ!本当に助かるわ。ありがとう」
「お役に立ててよかったです。ところで、先日夫がお送りした食洗器の調子はどうですか?」
「食洗器?うちは持ってないけど…?」
「え?」
夫に思うところはありますが、義母が喜んでくれるのは素直にうれしく思っていました。
しかし、冷蔵庫より前に夫が送った食洗器のことについて尋ねると、食洗器はないと義母。「お父さんと2人分の食器しか出ないし、自分で洗ったほうが早い気がするから食洗器はいらないの」と言うのです……。
「あれ……もしかしたら、私の勘違いかもしれません」と言いながら、私は夫に不信感を抱きました。
「もしかしたら、息子がそちらのご両親にプレゼントしたんじゃない?」「うちにばかりプレゼントをくれるから、申し訳ないと思ってたのよ」と言う義母に、「いえ、実家はリフォームしたときに食洗器付きのキッチンにしたので……」と返した私。
「いいわね、我が家も古くなってきたからリフォームしたいくらいよ!」「車だってそろそろ買い替えたいし、お金っていくらあっても足りないわよね」「うちは事足りてるから、あなたたち夫婦も自分たちの暮らしを充実させることを優先してね」と義母。私は夫に対する不信感をぬぐえないまま、「はい」と答えました。
行方不明になった食洗器
5分後――。
私は夫に食洗器のことを聞くため、電話しました。
「お義母さんから冷蔵庫のお礼の連絡が来たんだけど、食洗器は届いていないってよ?どういうこと?」と尋ねると、夫は焦ったように「それ、母さんに話しちまったのかよ!」と言ってきました。
「食洗器、配送会社の手違いでごたごたしててまだ到着してないんだよ!」「到着するまで黙ってて、サプライズで贈りたかったのに……お前のせいで台無しだ!」と私をなじった夫。しかし、すぐに気を取り直し、夫は「まぁいいや、今度、車をプレゼントする予定だから」と言ったのです。
「良い車を買うつもりだから、駐車場に屋根も設置したいし」「親孝行だからお前と俺とで支払いをするんだぞ!」と夫。たしかにうちは共働きですが、義実家に車を買ってあげられるような余裕はないというのに……。
嘘つき男が支払う代償
1週間後――。
「善は急げってことで、仕事終わりにディーラーに行って、車買ってきた!」「とりあえず俺だけでローンを組んだよ」「だから、お前は毎月一定額を俺に払え!帰ったら誓約書にサインしてくれよな」とまた、自分勝手なふるまいをした夫。
私は呆れながらも「サインならもうしたわ、離婚届にね」と言いました。すると、「り、離婚届……?」と呆気にとられたような夫。
「車の次は太陽光パネルやら蓄電池やらを実家にとりつけるつもりなんでしょう?」「私が聞いていないところでどんどん話が進んで、お金だけとられて、もうたくさんよ」「離婚を考えた段階でお義母さんたちには相談していて、もし法的に私が払い続けなければいけないものがあれば、お義母さんたちが払ってくれるそうよ」
「お、俺たちの親孝行だろ!」「母さんも母さんだ!今までにいくら貢いでやったと思ってるんだ!」と怒りをあらわにした夫。
「それと同じくらい浮気相手にも貢いでるわよね?」
食洗器のことがどうしても引っかかった私。支払いは終わっているのに、1カ月以上も配送が遅れていることに疑問を抱きました。そもそも義母は食洗器なんて望んでいませんでしたし……。
そこで私は、今まで義両親に夫がプレゼントしたものをリスト化し、義両親に確認してもらうことにしたのです。すると、半分以上は義両親も知らないプレゼントだったのです……。
「浮気の証拠ももうつかんでるから、慰謝料に関しては弁護士さんから連絡するわね」「それから、浮気相手へのプレゼントしたものの代金のうち、私が負担した分もあわせて返してもらうから」と言うと、「待ってくれよ!車のローンも組んじゃったんだぞ!月8万のローン!」と慌て出した夫。
その車のローンについても、私は不満しかありませんでした。私のほうが稼いでるとはいえ、夫の負担額は月1万、私の負担額は月7万というのですから。
「月1万の負担だからあの新車を選んだのに!」「クレカの支払いだってあるし、そもそもここの家賃だって俺1人で払えるわけないだろ!」「そうだ、これからはお前の親にも親孝行してやる!だから離婚は考え直してくれ!」とすがってきた夫。
「どうせ私の稼ぎが目的でしょ?」「これからは身の丈に合った親孝行をしなさいよ」「もっとも、半分以上は浮気相手に消えていたみたいだけど……」と言って、私は電話を切り、荷物をまとめて家を出ました。
その後――。
弁護士と義両親の助けを借りて、私は夫と離婚しました。もちろん、慰謝料は元夫と浮気相手の両方に請求し、希望通りの金額を一括で支払ってもらいました。
元義両親は元夫を勘当。元義母は「私の目が黒いうちは、二度と実家の敷居を跨がせない」と言っていました。
まとまったお金が入ったこともあり、私は新居の家電を充実させることに。効率良く家事が終わるようになったので、資格の勉強や読書などもはかどるようになりました。これからは自分のためにお金も時間も使っていこうと思っています。
【取材時期:2025年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。