ベビーカレンダーの最新の調査によると、近年でも女の子の名前には花をイメージする漢字が多く使われていました。
特に 「桜」「楓」などは毎年人気で、名前ランキングの上位に入る定番の漢字です。また「蓮」「葵」「茉莉花」などは、四季を問わず多く名付けられていました。
花の名前ごとに、実際に名付けられていた女の子の名前を挙げてみましょう。(※カッコ内は主な名前のよみ)
春の花の名前
「桜」を使った名前
春の花の代表格といえば、桜ではないでしょうか。春の花の名前のなかでも、女の子に非常に人気がある漢字です。「さくら」というよみのほか、「お」という止め字で用いられている名前が多く見られました。
●桜(さくら)●桜子(さくらこ)●桜空(さくら)●桜都(おと)●桜叶(おと)
●美桜(みお)●未桜(みお)●凪桜(なぎさ)●実桜(みお)●凛桜(りお)
●莉桜(りお)●里桜(りお)●理桜(りお)●梨桜(りお)●蒼桜(あお)
「杏」を使った名前
「杏」も春の花の名前として、女の子によく使われています。杏(あんず)は桜よりも少し早い時期にかわいいピンクの花を咲かせ、初夏になると実をつけます。「あん」のほか、止め字の「あ」というよみで多く使われていました。
●杏(あん)●杏奈(あんな)●杏菜(あんな)●杏珠(あんじゅ)●杏莉(あんり)
●杏心(あこ)●杏夏(こなつ)●杏紗(あずさ)
●莉杏(りあ)●柚杏(ゆあ)●美杏(みあ)●瑠杏(るあ)●優杏(ゆあ)
●結杏(ゆあ)●翠杏(すあ)
「桃」を使った名前
桃は、桜より少し早い時期に、赤や白、ピンクのかわいい花を咲かせます。ひな祭りに飾る花というイメージがあるのではないでしょうか。「もも」と聞くと花の名前よりも、花が咲いた後に実る桃を連想するかもしれません。
女の子に名付けられた主な名前を見ると、「もも」や「も」のよみで使われていました。
●桃(もも)●桃花(ももか)●桃菜(ももな)●桃叶(ももか)●桃子(ももこ)
●桃佳(ももか)●桃香(ももか)●桃奈(ももな)●桃寧(もね)●桃萌(もも)
「菫」を使った名前
春に紫色の可憐な花を咲かせるスミレも、春の花のひとつです。小さな花を咲かせるスミレは派手さはないものの、素朴で上品な美しさを持っています。公園や山道でひっそりと咲く姿は古くから愛され、和歌や俳句にも登場しています。
●菫(すみれ)●菫礼(すみれ)●菫鈴(すみれ)●菫乃(すみの)
「菜」を使った名前
春になると一面に黄色い花を咲かせる菜の花は、桜と並んで春の訪れを感じさせる花です。春の花の名前としても人気があります。
菜の花の明るい黄色は、元気いっぱいな印象を持つでしょう。女の子に実際に付けられた名前を見ると、止め字に使われていることが多いようです。
●結菜(ゆいな、ゆな)●陽菜(ひな、はるな)●紗菜(さな)●愛菜(まな、あいな)
●瑛菜(えな)●仁菜(にな)●日菜(ひな)●心菜(ここな)●楓菜(ふうな)
●瑠菜(るな)●七菜(なな)●咲菜(さな)●聖菜(せな)●羽菜(はな)●琴菜(ことな)
●陽菜乃(ひなの)●菜月(なつき) ●菜乃(なの)●菜瑚(なこ)●日菜乃(ひなの)
「苺」を使った名前
フルーツの印象が強いイチゴですが、実をつける前に小さな白い花を咲かせます。実も花もかわいい「苺」という漢字は、あまり多くはないものの、近年女の子の名前に見かけるようになりました。
主なよみは「いちご」の「いち」のほか、「も」「め」などが見られ、オリジナリティのある名前が多いようです。
●苺花(いちか)●苺果(いちか)●苺叶(いちか)●苺愛(もあ)●苺依(めい)
「楓」を使った名前
秋の美しい紅葉のイメージから、秋によく名付けられる「楓」ですが、春には小さくてかわいらしい花を咲かせます。ひっそりと咲く奥ゆかしさから、「楓」を使った名前は落ち着いた印象を与えるでしょう。
女の子の名前では、「かえで」のほか、「か」「ふう」などのよみで名付けられていました。
●楓(かえで)●楓華(ふうか)●楓夏(ふうか)●楓花(ふうか)●楓奈(ふうな)
●楓佳(ふうか)●楓菜(ふうな)●楓果(ふうか) ●楓乃(かの)●楓香(ふうか)
夏の花の名前
「葵」を使った名前
葵は、絶大な人気がある夏の花の名前です。夏の花といえば、黄色い大輪の花を咲かせる向日葵。堂々と咲く様子は、凛々しさや自立を感じさせます。そのほか、赤やピンク、白の花を咲かせる立葵も、夏の花の名前です。力強く、上へと伸びる姿は、たくましい印象を受けるでしょう。
また、「葵」は、数ある花の名前のなかでも男女ともに名付けられる中性的な名前です。
●葵(あおい)●葵衣(あおい)●葵唯(あおい)●葵依(あおい)●葵音(あお)
●葵羽(あおは)●葵葉(あおは)●葵帆(きほ)●葵子(きこ)●葵心(きこ)
●陽葵(ひまり)●日葵(ひまり)●向葵(むぎ、ひまり)●向日葵(ひまわり)
●紬葵(つむぎ)●結葵(ゆあ、ゆき)●柚葵(ゆずき)●凪葵(なぎ)
●月葵(つき)●美葵(みつき)
「蓮」を使った名前
蓮は、夏に池や沼で美しく咲く水生植物です。水面に広がる大きな葉の上に、淡いピンクや白の花を咲かせる姿が特徴的で、泥の中から美しい花を咲かせる様子から、清らかさや気高さを感じさせるでしょう。
「蓮」も「葵」同様に、花の名前のなかでは珍しい、男の子にも使われる漢字です。男の子の名前では「蓮」1文字で「れん」というよみが圧倒的に人気でしたが、女の子の名前にはバリエーションがあり、「れん」のほか「れ」「はす」「は」などのよみで用いられていました。
●蓮(れん)●蓮華(れんか)●蓮叶(れんか)●蓮奈(れな)●蓮菜(れな)
●夏蓮(かれん)●華蓮(かれん)●花蓮(かれん)●果蓮(かれん)●椛蓮(かれん)
●純蓮(すみれ)
●蓮音(はすね)●蓮乃(はすの)●蓮月(はづき)●蓮希(はづき)
「紫陽花」をイメージする名前
紫陽花は、梅雨の時期に咲く花 で、青・紫・ピンク・白など、土壌によって花の色が変わるのが特徴です。丸くてふんわりとした形や、雨に濡れた姿が美しく、しっとりとした風情を感じさせるでしょう。
女の子の名前を見てみると、あまり多くはありませんが、紫陽花の花を連想する名前がいくつかありました。
●紫陽花(あじさい)●紫陽里(しおり)●紫陽(しはる)
「茉莉花」をイメージする名前
茉莉花(マツリカ)はジャスミンの一種で、白くて小さな花を咲かせます。甘く上品な香りが特徴的な茉莉花は、上品で気品のある雰囲気を持つでしょう。「茉」や「莉」は、上位にランクインする名前によく使われています。
●茉央(まお)●茉優(まゆ)●茉白(ましろ)●茉莉(まつり、まり)
●茉紘(まひろ)●咲茉(えま)●愛茉(えま)●依茉(えま)●永茉(えま)
●瑛茉(えま)
●莉愛(りあ)●莉瑚(りお)●莉緒(りお)●莉子(りこ)●莉茉(りま)
●愛莉(あいり)●朱莉(あかり)●明莉(あかり)●光莉(ひかり)●瑠莉(るり)
「芙蓉」をイメージする名前
芙蓉は夏から秋にかけて咲く、ピンクや白のやわらかな花びらが特徴の花です。芙蓉のような2文字からなる花の名前でも、そのうちの1文字を用いて名付けるケースがあります。女の子の名前を見ると、「芙」を使った名前が名付けられていました。
●芙羽(ふう)●芙実(ふみ)●芙美(ふみ)●芙望(ふみ)●芙心(ふみ)
●芙優(ふゆ)●芙柚(ふゆ)●芙佳(ふうか)●芙果(ふうか)●芙凪(ふうな)
「瑠璃茉莉」をイメージする名前
瑠璃茉莉(ルリマツリ)は、夏から秋にかけて咲く、涼しげな青紫色の花です。「茉莉」とありますが、茉莉花とは異なる花で、さわやかさや落ち着きを感じさせます。瑠璃茉莉という花の名前から「瑠璃」を用いた名前がいくつか見られました。
●瑠璃(るり)●瑠璃子(るりこ)●瑠璃花(るりか)
夏の花の名前はそのほかにも、百合の花をイメージする百合(ゆり)、ナツツバキを意味する沙羅(シャラ)の花をイメージする沙羅(さら)なども名付けられていました。
秋の花の名前
「蘭」を使った名前
蘭といえば、贈り物や装飾に使われる高級感のある花。蘭という花の名前を用いると、エレガントで気品のある雰囲気になるでしょう。「らん」や「ら」のよみで多く名付けられていました。
●蘭(らん)●蘭奈(らな)●蘭愛(らな)●蘭菜(らな)●心蘭(みらん)
●未蘭(みらん)●美蘭(みらん)●愛蘭(あいら)●紗蘭(さら)●結蘭(ゆら)
「藍」を使った名前
藍は、ピンクや紫色をした小さな花を咲かせる植物です。古くから藍染めに使われることで知られ、藍の葉からは美しい青色の染料が作られます。目立つ花ではありませんが、日本の伝統や美意識と深く関わる植物であり、日本の美しさを感じさせる名前になるでしょう。
女の子の名前では「らん」「ら」「あい」のよみで使われることが多いようです。
●藍(らん、あい)●藍花(あいか) ●藍梨(あいり)●沙藍(さら)●藍菜(らんな)
「桔梗」をイメージする名前
青紫色の星形の花を咲かせる桔梗は、秋の七草のひとつです。凛とした気品や高貴さを感じさせる花で、桔梗の花を連想する名前は、気高く上品な印象を持つでしょう。女の子の名前には、桔梗の「桔」を用いた名前が見られました。
●桔衣(きい)●桔帆(きほ)●桔花(きっか)●桔菜乃(きなの)●紬桔(つむぎ)
冬の花の名前
「椿」を使った名前
冬に咲く花である椿は、艶やかな花びらと濃い緑の葉が特徴的な、和の美しさを象徴する花です。花が少ない寒い季節でも凛と咲く姿から、「椿」を使った名前は芯の強さを感じさせます。
●椿(つばき)●椿季(つばき)●椿來(つばき)●椿月(つばき)●椿紗(つばさ)
「柊」を使った名前
固いギザギザした葉の印象が強い柊ですが、冬には小さな白い花を咲かせます。魔除けの木として知られる柊は、昔から家の守り木として庭に植えられていました。主なよみは「しゅう」のほか、「ひ」「とう」など。男の子の名前にもよく使われる漢字です。
●柊(しゅう)●柊羽(しゅう)●柊花(しゅうか)●柊里(しゅり)●柊華(とうか)
●柊奈(ひな)●柊那(ひな)●柊凪(ひな)●柊月(ひづき)●柊依(ひより)
花をイメージさせる名前
最後に、花の名前ではないものの、花をイメージさせる漢字を紹介します。花をイメージさせる漢字は、花の名前を表す漢字との相性もピッタリ! 花の名前の漢字と組み合わせるのも素敵ですね。
まず、ストレートに花を連想させる「花」や「華」は女の子の名付けにとても人気があります。「花」「華」とも、止め字として使われることが多い漢字で、主なよみは「か」のほか「はな」や「は」などでした。
「花」を使った名前
●花(はな)●花奈(はな)●花音(かのん)●花帆(かほ)●花奏(かなで)
●風花(ふうか)●六花(りっか)●百花(ももか) ●一花(いちか)●瑠花(るか)
●和花(わか、のどか)●唯花(ゆいか)●帆花(ほのか)●楓花(ふうか)
●彩花(いろは、あやか)
「華」を使った名前
●華(はな)●華蓮(かれん)●華奈(はな)●華凛(かりん)●華瑠(はる)
●一華(いちか)●楓華(ふうか)●彩華(いろは、あやか)●唯華(ゆいか)
●瑠華(るか)●凛華(りんか)●絃華(いとは)●乃々華(ののか)
●琉華(るか)●羽華(うか)
植物が育つ過程をイメージさせる「芽」「萌」「葉」「咲」「実」も、花をイメージさせるでしょう。暑さや寒さ、あらゆる障壁を乗り越えて花を咲かせるイメージは、生命力を感じさせます。
「芽」を使った名前
●芽依(めい)●芽生(めい)●芽郁(めい)●芽衣(めい)●芽咲(めいさ)
●夏芽(なつめ)●結芽(ゆめ)●優芽(ゆめ)●叶芽(かなめ)●侑芽(ゆめ)
「萌」を使った名前
●萌愛(もあ)●萌結(めい)●萌花(もか)●萌音(もね)●萌々香(ももか)
●桃萌(もも)●萌華(もえか)●夏萌(なつめ)●萌生(めい)●萌(もえ)
「葉」を使った名前
●琴葉(ことは)●彩葉(いろは)●柚葉(ゆずは) ●絃葉(いとは)●詩葉(うたは)
●涼葉(すずは)●双葉(ふたば)●葉月(はづき) ●結葉(ゆいは)●音葉(おとは)
「咲」を使った名前
●咲良(さくら)●咲茉(えま)●咲那(さな)●咲奈(さな)●咲凪(さな)
●咲舞(えま)●咲来(さくら)●咲希(さき)●咲(さき、えみ)●咲花(さな)
●凪咲(なぎさ)●陽咲(ひなた)●心咲(こはる)●日咲(ひより)●美咲(みさき)
「実」を使った名前
●実莉(みのり)●実愛(みあ)●実咲(みさき)●実里(みのり)●実采(みこと)
●来実(くるみ)●愛実(まなみ)●希実(のぞみ) ●來実(くるみ)●叶実(かなみ)
「香」や「彩」は、花がもたらす香りや彩りをイメージさせる漢字です。「香」を用いた名前の多くは止め字で用いていました。一方で「彩」を用いた名前はオリジナリティのある名前が多く、漢字のよみも「あや」「いろ」「あ」「さ」などさまざまでした。
「香」を使った名前
●穂香(ほのか)●凛香(りんか)●結香(ゆいか)●風香(ふうか)●明日香(あすか)
●楓香(ふうか)●瑠香(るか)●帆香(ほのか)●陽香(はるか) ●晴香(はるか)
「彩」を使った名前
●彩(あや)●彩羽(いろは)●陽彩(ひいろ)●結彩(ゆあ)●心彩(みあ)
●彩晴(いろは)●莉彩(りあ)●彩愛(さら)●乃彩(のあ)●彩陽(あさひ)
女の子に花の名前を使うメリットとは?【名付けのポイント】
花が持つ美しさやイメージを反映できる
花の名前には、それぞれの花が持つ特有のイメージがあります。たとえば、「桜」は春の訪れを象徴し、華やかで優雅な印象を与えます。「百合(ゆり)」は清楚で気品のあるイメージ、「菫(すみれ)」は小さく可憐で控えめな美しさを表します。
このように、花が持つ美しさをそのまま名前に反映できるのが、大きな魅力のひとつです。
花の名前が持つやさしい響きと可憐なイメージ
花の名前は、やさしく柔らかな響きを持つものが多く、可憐なイメージを求める人にはピッタリと言えます。特に桜や葵などは、響きが美しく、時代を超えて人気があります。
また、日ごろからなじみのある花の名前は、音の響きが花のイメージに直結するでしょう。
花言葉が込められた特別な名前になる
花にはそれぞれ「花言葉」があり、その意味を込めることで、特別な想いや願いを持つ名前になります。
ただし、花言葉には諸説あり、複数の花言葉を持つケースがあります。また色によって花言葉が異なる場合もあるので、花言葉を意識した名付けをしたい人はしっかりと調べる必要があります。
またその一方で、花言葉にこだわりすぎず、自分たちの想いを大切にすることも忘れないようにしましょう。
世代や国境を超えて愛される名前が多い
古くから親しまれている花の名前は、時代が変わっても色褪せることがありません。日本の伝統を感じさせる美しい響きを持ち、長年多くの人に愛されています。
また、桜や紫陽花などは日本を代表する花として世界中で知られ、近年では外国語でも日本語の名前で呼ばれる機会が増えています。
そんな花にまつわる名前は、その花の持つ美しさが世代や国境を超えて伝わるでしょう。
名前を通じて自然や四季を感じられる
花の名前を付けることで、自然や四季の美しさを感じることができます。たとえば、桜は春の訪れを感じさせ、紫陽花は梅雨の風情を思わせます。
また、誕生日に合わせた花の名前を付けることが多いのは、生まれた季節の美しさを名前に込められることが理由でしょう。それは季節によって違った花が咲く、四季がある日本ならではの名付けです。花の名前を用いることの魅力と言えるでしょう。
花の名前は、その美しさや響きの良さ、花言葉の意味など、さまざまな魅力を持っています。女の子の名前に付けることで、明るさや凛々しさなどを表現し、特別な想いを込めることができます。世代を超えて愛され、自然の美しさを感じられる花の名前は、名付けの選択肢として非常に魅力的です。
<調査概要>
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方
調査期間:2024年1月1日(月)〜2024年10月1日(火)
回答件数:79,848件(男の子:40,207件/女の子:39,641件)