服装には無頓着で機能性重視の夫
夫との出会いは、私がアルバイトとして働いていた小さな工場でした。当時の夫は勤務先の工場の近くにアパートを借り、出勤直前に起床して、着替えだけ済ませて自転車でふらりと出社するという日々でした。付き合っていたころから気になっていたのは、その出勤時の服装。職場に着いてすぐに仕事が始められるようにしているのか、職場のくたびれたTシャツに動きやすいズボン、そして足元はいつも便所サンダルでした……。
そもそも、デートのときにもはやりの服を着てくるわけでもなく、そこまでファッションにこだわりはない様子。1人暮らしで最低限の家事こそするものの、畳みもせず、しわくちゃになった服を気にせずに着て出勤する当時の夫を見て、外見に無頓着なタイプなのかと考えていました。
とはいえ、仕事へ行くためにわざわざ便所サンダルを選ばなくても、サンダルなんていくらでもあります。そこで、便所サンダルを履く理由を尋ねたところ、夫いわく「クッション性が高くて長く履いていても疲れない。仕事中に急いで靴を脱いだり履いたりするのにも便利だから」とのこと。仕事中に履く分には、使いやすさもあるのだろうと、そのときは気にしないようにしていたのですが……。
夫は普段履きするほどの便所サンダルラバー
最近では、便所サンダルといえど、クリアタイプやスタッズの付いたおしゃれなデザインが販売されています。そのため、見た目も変わり、品質も高く履きやすくなっているので、多くの人が愛用している理由があるのは理解できます。
でも、夫が履いていたのは、トイレによくあるような茶色の「ザ・便所サンダル」というもの。「仕事の行き帰りだけなら仕方ない」と思っていたのですが、長く付き合ううちに買い物や外食など、ちょっとした外出にも便所サンダルを履いて出かけるようになったのです。一緒に出歩く私からすると、便所サンダルでの外出はかなり気になります。一緒に食事に出かけた共通の友人から「なんで便所サンダルなんだよ!」と突っ込まれることもありましたが、本人は「履き心地がいいんだよ」とどこ吹く風でした。
結婚してからもそのファッションは変わらず、ちょっとした外出には便所サンダルで出かけてしまいます。何度か「便所サンダルのまま買い物に行くの?それで出かけるのはちょっと恥ずかしいんじゃない?」と伝えていました。しかし、本人は履き心地の良さに、なかなか便所サンダルを手放せない様子。伝え続けるうちに私の気持ちをくんではくれたのですが、新しく購入したのは結局サボタイプの便所サンダルでした。それほど、夫は便所サンダルの履き心地の良さに魅了されていたのです。
転職がきっかけで外見に多少は気をつかうように
そんな夫の便所サンダル愛に転機が訪れたのが、本人の転職でした。結婚後、子どもが生まれたこともありキャリアアップのため、気合いを入れて転職活動をスタート。数カ月間活動を続け、最終的に全国規模の大きな企業へ転職を果たしました。
仕事が始まってからというもの、職場の同僚など周りの目を少しは気にするようになったのか、私がやめて欲しいと言い続けていた便所サンダルでの出勤や、外出もなくなりました。長年勤めていた小さな工場から、全国規模の大企業に転職をかなえ、気持ちが引き締まったようです。
ただ、やはりスリッパタイプの靴の便利さは捨てきれないようで、今は作業服店の少しデザイン性のあるつっかけサンダルを愛用しています。そのつっかけサンダルで買い物や外食へ出かけることもありますが、「便所サンダルよりはまだいいか」と自分を納得させています。
まとめ
私からの言葉が夫に響かなかったのは残念ですが、ファッションへのこだわりは人それぞれです。夫のように、こだわりが強いほど、人からどう思われようと関係ないのでしょう。こだわりは人から指摘されても変えられるものではなく、本人の気持ちに変化がない限り変わらないものなのだなと感じたエピソードでした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:倉本 有希/30代女性・ライター。マイペースで楽観的な夫とひょうきんで味のある2021年生まれの女の子、甘えん坊でうるさい黒猫の3人1匹家族。フリーランスのため、子どもを寝かしつけた後に夜な夜な仕事をしている。最近のストレス発散は100均で爆買い。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)
関連記事:子どもを無視してゲーム漬け!夫の請求書から見つけた謎の英語。問いただして発覚した事実に妻は絶句
関連記事:「え?借金?」夫の高級自転車に隠された衝撃の真実…返済の末に見つけた思わぬ夢とは【体験談】
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!