「ママから聞いてびっくりしたんだけど!」「あの男にそんな甲斐性あったの!?」と驚いている妹。彼氏がうちに結婚の挨拶に来たとき、妹は同席していたはずですが、あまり彼には興味を示していませんでした。おそらくタイプじゃなかったのでしょう。
しかし、妹は電話口で「お姉ちゃんの彼氏、どこで働いてるの?」「いくつだったっけ?」と、私の彼氏について矢継ぎ早に質問をしてきて……?
彼氏と別れたばかりの妹の思惑
「あなた、私の彼氏に全然興味なかったじゃない」「いきなりどうしたの?」と聞くと、「実は私、彼氏と別れたばっかりなの」と言ってきた妹。
「『俺はビッグになる!』ってずっとバンドやってたんだけど、全然売れなくて」「いつまで経ってもバイト生活から抜け出せないし、将来性まったく感じなかったから別れちゃった」「だから、新しく将来性がある彼氏を募集中なんだよね~」
妹は、私の彼氏がアプリ開発に携わっているという点で興味を持ったそう。彼氏が勤めている会社はベンチャーですが、若い世代に受けるアプリを次々に生み出しているのです。
私は一抹の不安を抱きながら、「あなたならならすぐ見つかるわよ」と言いました。すると、妹は「もう見つかったから大丈夫!」と言ったのです。
「私、お姉ちゃんの彼氏と結婚する!」
私の不安は的中してしまいました。「ハワイで挙式ができて、話題のアプリを開発してる会社で働いてるなんて、将来勝ち組確定じゃん!」「まだ結婚してないなら私にもチャンスはあるでしょ?」と妹。
私は「結婚直前に余計な波風立てないでちょうだい」「彼のこと、なんにも知らないんだから余計なことはしないで!」と釘を刺しました。しかし、妹はすでに自分の世界に入り込み、私の声は届いていないようでした。
彼氏の独断
2週間後――。
私たちはハワイに飛び、結婚式の最終的な打ち合わせをする予定でした。しかし、私はあいにくの体調不良。それでも重いからだを引きずりながら、空港に向かおうとしたのですが……。
「お前、今週の頭から具合悪そうだったじゃん?」「航空券も宿泊予約も全部1人分に変更したし、俺1人で打ち合わせをしてくるよ」「いつも忙しいんだし、お前は家でゆっくりしてな」と彼氏。
そのやさしさにちょっとうるっと来てしまった私。「ありがとう、信頼してるね」「なにかあったらすぐに連絡してね!」と言って、彼氏にすべてを任せてしまったのです。
そして、さらに2週間後――。
その日、私たちは入籍する予定でした。一緒に役所に行って婚姻届を出すつもりだったのですが、待ち合わせの時間になっても彼氏は来ません。
「ねぇ、どういうつもり?」「今日、婚姻届を役所に提出する約束だったよね?」と連絡すると、「ごめん、お前とは結婚できない」と彼氏。
「この1カ月、悩んで苦しんで出した結論なんだ」「別に結婚したい人ができたんだ……お前の妹と結婚する!」
そう言われて、私は頭の中が真っ白に。
「実は1カ月前からお前の妹と付き合ってて……彼女も俺と結婚したいって言ってくれてるし、俺も彼女のほうが俺にふさわしいと思ってる」「2週間前のハワイでの打ち合わせも一緒に行ってくれたし」「だから、俺との結婚は諦めてくれ!」
まさか、新婦をすり替えようとしているだなんて……。しかも、浮気相手が私の実の妹だなんて……。私が言葉を探している間に、彼氏は電話を切ってしまいました。
婚約者を奪った妹の末路
彼氏からの電話が切れた直後、「お姉ちゃん、ごめんね~?」「私、ちゃんと宣言したから、悪くないよね?先に言っておいてあげたのに、なにも対策しなかったお姉ちゃんが悪いんだよ」と、今度は妹から連絡が来ました。
「実はうちにあいさつに来たとき、お姉ちゃんの彼からこっそり連絡先もらっちゃって」
「その時点で私の勝ちよね?お姉ちゃんの婚約者奪うのチョロすぎwハワイ挙式ごともらっちゃうね♡ごめんね」
「ううん、いいのよ、お幸せに!」
「え?」
さすがの妹でも、たった1カ月で彼をモノにしたとは思えませんでした。なにか小ずるい手を使ったのかと思っていたのですが、彼氏のほうから妹を口説いていただなんて……。
このたった数分間で、私の中の彼氏に対する愛情はすっかり消え失せていたのです。私の反応に驚く妹に、「親への挨拶の場面で、婚約者の妹に目をつけるような男と結婚しなくてよかったと安堵してるわ」と言うと、妹は「強がっちゃって!」と笑ったのでした。
3日後――。
今度は妹から、「私たちのハワイ挙式を勝手にキャンセルしたでしょ!」とすごい剣幕で連絡が来ました。
「悔しいからって嫌がらせすんじゃないわよ!」と言う妹に、私は「私と彼が契約者なんだから、キャンセルして当然でしょう」と淡々と返しました。
「そもそもお金もないんだから、挙式できないでしょう?」「これ以上お金がかからないように、できるだけ早くキャンセルしてあげたのよ」
そう言うと、妹は「え?お金なら彼が持ってるでしょ?」ときょとん。だから、「彼のこと、なんにも知らないんだから余計なことはしないで!」と釘を刺しておいたのに……。
彼は、私にプロポーズするのと同時に、私に相談もなく、会社を辞めていたのです。ステップアップのために転職すると言っていましたが、転職活動はうまくいかず……。見かねた私が、経営者である友人に彼のことをお願いして、試用期間を設けたうえで雇ってもらったのです。
「問題がなければ正式採用になってたはずなんだけど、仕事もそんなにできるわけじゃないし」「今回の浮気のことも友人に話したの。信頼も地に落ちたし、正式採用は無理でしょうね。それに今後その業界で再就職先を探すのも難しいんじゃないかしら」
「で、でも!ハワイ挙式を挙げるくらいの貯金くらいあるでしょう!」となおも言ってきた妹に、「それは私が大学時代からコツコツと貯めていたお金から出したのよ」「今回、私が結婚しないのにこの貯金を使うわけないでしょう」と呆れながら言った私。
「そうそう、今度慰謝料の支払いについて話し合いましょうね」「それぞれに慰謝料を請求するし、結婚式のキャンセル費用もあなたたちが支払ってね」と言うと、妹は「そんなのひどい!」と泣き出しました。
「お金も職もないなら、あんな男に価値ないじゃん!」「お姉ちゃんに返す!」とわめていましたが、返されても困ります。「もういい歳した大人なんだから、自分の責任は自分で取りなさい」と言って、私は電話を切りました。
その後――。
妹の本性を知った元彼はショックを受け、再就職どころではなくなってしまったと聞きました。結局、2人は1カ月後に破局したそうです。
私は妹と元彼に容赦なく慰謝料を請求。分割にはなりましたが、しっかり回収することができそうです。この慰謝料を使って、今度の長期休みにハワイにバカンスに行こうかなと思っています。
【取材時期:2025年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。