母子健康手帳を見た瞬間に態度が一変!?
家族以外の大人と話せることが楽しみで仕方なかった産後2カ月ごろの私。「はじめまして」のあいさつと簡単な自己紹介をし、50代くらいのベテラン助産師さんの雰囲気に安心したことを覚えています。
その後、母子健康手帳を提出しました。すると「あぁ、保育士さんね」と丁寧だったものから、ぶっきらぼうな態度へ一変したのです。
当時悩んでいた、子どもがあまり寝てくれないことを私は助産師さんに相談しました。すると、「保育士なのに寝かしつけ苦手なの?」という突き放すような一言。
「はい」と答えると、たまたまカーテンを閉めていたことに対して「お昼もカーテンを閉めているから、リズムがわからなくなるのよ」というアドバイス。私もめげずに、すぐに乳腺炎になってしまってつらいということも相談をしました。
すると、「保育士だからわかるでしょ? つらいこともあるのが育児よ」と言われたのです。産後2カ月で不安定なメンタルだった私にはかなりキツく、悔しくて苦しい時間になったのです。
初めての育児、うまくいかないことのほうが多く、そのたびに「保育士なのに」という言葉が呪いのように感じられました。
悲しい気持ちになった新生児訪問でしたが、私は「同じような経験を他の人にしてほしくない」と考えて、管轄の部署に問い合わせることに。すると担当の方は親身に話を聞いてくださり、しっかり助産師さんにフィードバックしてくれることになりました。
今回のショックな経験があったからこそ、私自身、もっとママに寄り添い、力になりたいという思いがより強くなりました。今は保育士の傍ら、ベビーマッサージ講師をしています。「これまで以上に、ママの力になれる!」と前向きに捉えて、日々頑張っています。
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たとえ専門的な知識や経験があっても、育児は実際に向き合うと戸惑うことの連続です。とくに産後は心身ともに不安定になりやすく、「職業」や「立場」で悩みを判断されてしまうと、心の逃げ場がなくなってしまうことも。
育児に行き詰まったときや、誰かに気持ちを聞いてほしいと感じたときは、ひとりで抱え込まず、地域の保健センターや育児相談窓口、助産師による電話相談などを利用してみてください。
<育児の悩みや心の不調に関する相談先>
・子育て世代包括支援センター(全国各地)
妊娠・出産・子育てに関する相談ができる、地域に根ざした支援窓口です。お住まいの市区町村にお問い合わせください。
・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
☎ 0120-279-338(24時間対応・通話無料)
※岩手県・宮城県・福島県からは、☎0120-279-226
育児ストレスや家庭の悩み、心の不調など幅広く相談できます。
・こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)
☎ 0570-064-556(相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります)
気持ちが落ち込んだときや、メンタルの不調を感じたときに利用できます。
ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『専門家相談』コーナーをぜひご活用ください!
著者:花森 りぶ/30代女性。2018年生まれと2021年生まれの息子たちと夫の4人暮らし。3年間IT関連会社で営業事務、12年間保育園で保育士を経験。現在はベビーマッサージの資格取得に向けて勉強中。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)