ワンオペ介護が終了し…
「お葬式って、あんなにあっさりしていてよかったのかな……」。義母が他界し、葬儀が無事に終わるまで慌ただしい日々を送った私。ホッとした瞬間にぽつりとそんな言葉が口をついて出ました。長年一生懸命介護してきた義母が亡くなり、何だか心に穴が開いたような気持ちになったのです。
毎日残業だといって帰りの遅い夫にそのことを書くと、しばらくして返信がありました。
「あれで十分、葬式ご苦労さま」と言うのです。これまで何も手伝ってくれなかったくせに、なぜ上から目線? ムッとする私に、さらに夫からメッセージが届きました。
「母さんは幸せだったよ」
「10年間介護お疲れさま」
「これからは2人でのんびり暮らそう」
「は?何言ってんの?」
完全に白けた私は、これまでの我慢をぶちまけるように連打。「お義母さんが幸せだった?」「どこがよ」「そんなわけないでしょ。あの人は最後まで心の奥底に恨みを抱えていたのよ!」
名前を呼んだのは…?
「怖いこと言うなよ」と、夫から慌てて電話がかかってきました。「母さんが誰を恨むって言うんだ」
何も気が付いていない夫に苦笑しながら、「あんただよ」と私は答えたのです。「お義母さんの世話を私に押し付けて、ずっと放置していたでしょ? お見舞いにも行かなかったから、お義母さんは実子に捨てられたと思っていたのよ」と。
夫は憤慨し、自分は仕事で忙しかったのだと言い訳。さらに、「晩年の母さんはうわ言のように俺の名前を呼んでいたけど、お前の名前は呼ばなかったそうじゃないか。看護師が言っていたぞ。恨まれているのはそっちじゃね? どんな介護をしたんだよ」と言うのです。
あきれた私はため息をついて夫に伝えました。「あんた本当に実の母親のこと、何も知らないのね。あれは、名前を呼ばれないほうがいいのよ」
「は? どういう意味だ?」
「帰ってきたら教えてあげる」
知っているんだから!
私は、その夜遅くに帰宅した夫に義母からの手紙を渡しました。夫は驚いてそれを開封しましたが、そこには奇妙な文様が記され、内容を理解できない様子。そこで私は、義母から私宛ての手紙には、介護への感謝と息子を呪ったと書かれていたことを説明しました。義母が生前に名前を連呼していたのは呪いの儀式だったのです……。
続けて私は、離婚届を突きつけました。「呪いが実存するのか、信じるかどうかは関係ない。問題は、それだけあなたが母親から恨まれていたってこと。あなたはお義母さんの財産を盗んでキャバ嬢に貢いでいた。看病もお見舞いもしなかったのは、仕事じゃなくてキャバクラ通いで忙しかったからでしょ」
実は、かつて不倫されて離婚していた義母。その息子までもが父親同様、妻への裏切り行為をしていることを知って失望し、恨みを抱くまでになったようです。
「私もあなたには愛想が尽きた。お義母さんももういない。さっさと別れましょう」
その後、義母から直々に残された遺産を受け取った私は、夫の有責で離婚を成立させました。もちろん慰謝料も受領。今では結婚前にしていた仕事に復帰し、充実した生活を送っています。今後は人を恨むことも恨まれることもない人生を歩みたいです。
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妻に実母の介護を任せきりで、自分はキャバクラ遊び……。情けない夫かつ息子ですね。愛想が尽きて当然ではないでしょうか。これからの新たな人生が幸せであることを祈りたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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