送られてきたのは、夫と知らない女性の2ショット、それから「今日もかわいかったね。また明日も会えるのが楽しみ♡」というメッセージ。夫も間違いに気づいたのか、すぐに送信は取り消されました。
困り果てた私は義母に相談することにしたのですが……?
浮気夫の肩を持つ義母
「は?なに馬鹿なこと言ってるの?」「うちの息子は優秀な医師として病院でも評判が高いのよ?そんな愚かなことなんてしないわ!」と言う義母に、私は、写真とメッセージが送られてきて、すぐ消されたことを義母に話しました。
「それに最近、帰りが遅くて、休日出勤も増えていて……スマホも私の前では絶対に見せなくなって、実を言うと前から浮気を疑っていたんです」「私もつらくて、まだ考えがまとまらなくて、でも離婚も視野に入れたくて……」
"離婚"と言うワードを聞いた瞬間に、「はぁ?離婚ですって!?」と豹変。「たかが浮気ごときで家庭を壊すつもり!?」「息子は高収入のお医者さまだし、あんたは暇な専業主婦なんだから浮気のひとつやふたつ、許すくらいの大人の対応をしなさいよ!」と義母。
しかし、私が専業主婦になったのは夫に望まれてのこと。それに、私は義母の買い物や雑務までこなしているので、決して暇ではないのです。
「医者の妻になれただけでも幸運なんだから!」「息子は毎日必死に働いてるのよ!」「離婚は絶対に許しません!これ以上、無駄な考えはやめなさい!」と怒鳴られ、私はあ然。私が了承したと思ったのか、ようやく義母は声を和らげ、「じゃあ、明日はまた膝の痛い私の代わりにお買い物お願いね!」と言ってきました。
夫がにおわせた浮気旅行
その日の夜――。
「おい、母さんから聞いたぞ」「お前、俺が浮気してるって言いふらしてるんだってな」と話しかけてきた夫。私はただ義母に相談しただけなのですが……。
「たとえ身内でも悪評につながることを話す時点でアウトだろうが!」「こんなデマが流れて昇進に響いたらどうする!?」と夫。しかし、私はこの目で夫と別の女性の2ショット、それから恋人同士のようなメッセージを見たのです。
「証拠はあるのかよ?最低限、スクショくらいはあるんだろ?」と意地悪い笑みを浮かべる夫に、「す、すぐに消されちゃって……でも見間違いではないもの……」と拳を握りしめた私。
「証拠もないし、お前が何を言っても妄想でしかないからな?」「母さんにまで迷惑かけて……もっとも、母さんは『男の浮気なんて当たり前』『男の浮気くらいで騒ぐ女は器が小さい』って言ってたぞ」
さらに、「あ、そうそう!俺、今週も『残業』で遅くなるから!」「あと、来週は出張で大阪3泊だから!」と言ってきた夫。「まさか、浮気相手との旅行じゃないでしょうね?」と聞くと、夫は「だから証拠もないのに、妄想で責め立てるなよ」と私を馬鹿にしたように笑ったのでした。
しらを切った夫と義母の末路
そして、次の週――。
「大変よ!今すぐに病院に来て!」と義母から私のスマホに電話がかかってきました。あまりの慌てように「ど、どうしたんですか!?」と私も若干パニックに。
「む、息子が……交通事故で、病院に運ばれたのよ!」
「え!?でも、夫は大阪出張中のはずですよね!?」と聞くと、「今、大阪の病院にいるらしいの!」「とにかく早く来て!!」と義母。
「わかりました、すぐ行きます」「私から夫が勤めている病院にも連絡をいれておきますね!」と言うと、「待って!!それはダメ、絶対に病院には連絡を入れないで!」と義母は私を止めました。
「でも出張って言ってたから……病院側も把握しておく必要がありますよね?もしかしたら大阪でしばらく入院なんてこともありえますし」と言うと、義母は「あの……でも、えっと……」としどろもどろ。
「そ、その……実は、出張じゃないのよ」「息子ったら……その、彼女と旅行に行ってたみたいでね」「事故ったときも、その子が助手席にいたみたい……」
やはり、夫は浮気旅行に出かけていたのです。私がため息をつくと、「そ、そんなことはどうでもいいでしょ!早く来て!」「入院手続きが必要なの!」と義母。
しかし、入院手続きなら私じゃなくてもできるはず。義母が書類にサインしたっていいのです。そのことを言うと、「だって……私には入院費なんて払えないんだもの!」とまたもとんでもないことを言い出しました。
「実は私、借金があって……」「年寄りの友だち付き合いってなにかとお金がかかって、それでカードローンとか、消費者金融とか……返済も追いつかなくて、息子に助けてもらってたのよ」
そのこともあって、義母は夫の浮気も黙認して、私を一方的に責めていたというのです。もう呆れて言葉も出ませんでした。
「今すぐ病院に来てちょうだい!」
「妻として、夫の緊急事態に駆けつけなさいよ!」
「お義母さん、私、独身ですが?」
「え?」
先週、浮気の話でもめにもめていた私たち。夫の大阪行き直前に、私が我慢できずに怒ると、夫は「じゃあ離婚するか?」と言って記入済みの離婚届を渡してきたのです。
「俺はいいけど、専業主婦のお前が離婚しても路頭に迷うだけだろ」と挑発するように渡してきた夫。私は夫が旅行に出発したのを確認してから自分の部分を記入し、そのまま役所に提出してきたのです。離婚届はすぐに受理され、晴れて私は独身に。
「離婚して他人になったので、赤の他人である元夫の入院費用やあなたの面倒を私が見る必要ありませんよね?」「きっと彼の『彼女さん』が素敵なお嫁さんになってくれますから、今度は彼女にお願いしてみたらどうですか?」
「そ、それは……でも、私たち、家族でしょう……?」と震える声で言った元義母に、「違います!もう他人です!」「どうぞ新しいお嫁さんと楽しく過ごしてくださいね!」と返して、私は電話を切りました。
その後――。
元夫の浮気相手は幸いにも軽症だったようで、事故現場から逃げ出してしまったそう。今は元夫も連絡が取れないそうです。
元夫は命に別条がないものの、しばらく大阪で入院することに。「離婚はいやだ」と泣いてすがってきましたが、離婚届を取り下げるつもりはありません。
そして、元義母も元夫の入院費と毎月の借金返済のための費用が足りず、私に泣きついてきました。「息子の病院の院長さんに、『どうにかして出張中の事故扱いにできないか』ってお願いしたんだけど、怒鳴られて……」「『そんな不正はできない』『これ以上病院に迷惑をかけないでください』って言うの!私がこんなにお願いしているのに、みんな冷たいのよ!」と話され、私は絶句。まさか、自分の息子の不倫を病院に明かしに行くとは……。
これ以上元義母や元夫と関わっていてはいけないと思い、私はそそくさと引っ越ししました。元義実家からも大阪からも遠く離れたところで再就職し、今は独身生活を謳歌しています。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。