同窓会に参加した僕
久しぶりに高校の同窓会が開かれるということで、僕は参加することに。会場では、懐かしい同級生・A男と、近況報告に花を咲かせていました。
するとA男から、「今度、後輩たちのために合コンを設定することになっちゃってさー。よければ来ない?」と合コンのお誘いが。
僕は合コンに参加したことがなく、最初は断ろうとしたものの、「副業のためにもいろいろな人と知り合うのはいいこと」だと思い直し、了承。A男に合コンの詳細を聞いていると、突然、B男が話に割り込んできました。B男は昔から僕に絡んでくる厄介な同級生だったのですが、それも相変わらずのよう。
「お前、高卒で入ったあの小さい会社にまだ勤めているんだってな! 俺は、次期社長として父さんの会社で働いてるんだぜ!」などと、聞いてもいないのにペラペラと自慢話をしてきます。さらに、「俺も合コンに参加してやろうか? 目玉がいなきゃ、女子の集まりも悪いだろ?」と言ってきて、B男も合コンに来ることになったのでした。
僕を引き立て役にするB男
そんなこんなで合コン当日。B男は、高級ブランド品で身を固めて登場しました。「俺はハイブランドしか着ない」「女は男に経済力を求めているんだから、これくらいは当然だろ!」とウキウキの様子。
僕が思わず、「お金目的で近寄られてもいいのかよ」と言うと、「お前、高校時代にちょっとモテたからって、いい気になるなよ。就職したのが中小企業じゃ、いい女は寄ってこねぇよ」などと、またもマウンティング。さらにB男は「お前、ちょうどいいから俺の引き立て役になれよ」と、僕の隣の席に座ったのです。
そんな中、ひとりの女性が現れました。
B男はC子に猛アピールを開始
「こんばんは。私はC子です。A男さんの後輩で、今日はよろしくお願いします!」
B男は、清楚で美しいC子さんを見ると、すぐさま話し始めました。
「俺さぁ、控えめに言っても将来有望なエリートなんだ! ちなみに、こいつは中小の負け組だよ。C子さん、君すごいお嬢様でしょ? こんな貧乏男とはしゃべりたくもないよね~。その点、俺は大企業の代表を父に持つ御曹司で次期社長。今度デートしようよ!」
C子さんは、ぐいぐいアピールするB男にかなり引いているようで、助けを求めるように僕の顔を見ました。
「あっ、あなたは……!」
C子さんはそう言うと、パッと顔を輝かせます。
「お久しぶりです! お元気でしたか? また家に来てくださいね。父も待っていますから」
会社員でもあり翻訳家でもある僕
それを聞いたB男は仰天。「お、お前ら知り合いなのかよ?」とかなりびっくりしています。
僕が、「C子さんのお父さんの会社・D社と仕事をさせてもらっているんだ」と説明すると、B男は「C子さん、やっぱり社長令嬢だったんだ!でも、お前が勤める小さな会社が、D社のような大きい出版社と取引できるわけないだろ」とのこと。
すると、隣で聞いていたA男が口を開きました。
「B男、お前は何を言っているんだ? こいつはさ、会社員だけど、売れっ子の翻訳家でもあるんだよ」
実は、僕は高校生のときから翻訳家として働くのが夢で、仕事をしながら翻訳の修業を重ね、今ではさまざまな著作を担当するまでになったのです。
「すげぇよなぁ、こいつは。夢を実現させてさ。あのベストセラーの翻訳も担当したんだぜ」とA男。B男は目を白黒させて、「ってことは、印税でがっぽり? このダサい男が?」と信じられない様子です。
C子に怒られたB男は…
愕然とするB男の顔を見て、C子は冷たく言い放ちます。
「父から聞いた話ですが、B男さんの会社は、お父様が息子さんに手を焼いていると業界内では有名ですよ。後を継がせられないと、お父様は嘆いていらっしゃるとか。先ほどのお話もマウントばかりで不愉快です。これ以上、お友だちをバカにするのであれば、お帰りください」
みんなの前でC子にハッキリ言われて、B男の顔は真っ赤に。「どいつもこいつも調子に乗りやがって!」と逆ギレしながら、店を出て行ったのでした。
噂で聞いた話ですが、その後B男は、「会社を継がせるには力不足」だと父親から言われ、地方の支店でゼロから修行をさせられているそう。
一方の僕は、相変わらず会社員をしながら翻訳家として働いています。そして、あの合コンでC子さんと意気投合。2人で出かける約束もし、新しい恋の予感にドキドキです!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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