帰宅しないわが子
入学後、しばらくの間は先生が引率して自宅近くまで集団下校をしていました。やがて子どもたちだけでの班ごとの集団下校がスタート。息子も順調に帰ってきていたので、登下校に慣れてきた様子に安堵していました。そんな矢先のある日のことでした。息子が下校時間になっても帰ってきません。
寄り道でもしているのだろうかと、自宅から学校までの道のりを歩いて向かって夫婦で探しましたが、息子の姿がありません。下校時に通る道を確認しても息子がいなかったので、いよいよ「事故に遭ったのかもしれない」「もしかして誘拐事件かも」などと不安が襲って、小学校の先生にも連絡。すると先生も来てくださって辺りを一緒に探してくださいました。けれどもまったく見つかりません。
「もう警察に通報するしかない……」
そう思った瞬間でした。
見知らぬ車から息子が降りてくるではありませんか……!
わが子の姿にホッと安心したと同時に、なにがなんだかわからない戸惑いも感じていると、運転席のやや高齢の男性が「この子のお父さんとお母さんですか?」と声をかけてきました。
どうやら、息子は仲良くなった友だちと話をしながら帰っていたら、誤って自宅方向ではない集団下校班に入ってしまい、気づけば見知らぬ場所にいたようです。
そして帰り道がわからず困っているところを、友だちのおばあちゃんが声をかけてくださり、おじいちゃんが車を運転して送ってくれたのだそう。息子から家の付近の目印などを聞き出してくださって、なんとか自宅まで送って下さったようです。息子が無事だった安堵感と一緒に探してくださった先生、送ってくださったおじいちゃん、おばあちゃんへの申し訳なさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
後日、先生やお世話になったお友だちのご自宅にご挨拶に伺ったのですが、お友だちもご家族もみなさんとてもやさしい方々で、それ以来、息子もすっかり仲良しに。今ではこの出会いにとても感謝しています。
今回の出来事をきっかけに、改めて息子と一緒に帰宅ルートを確認したり、「困ったときにはどう行動するか」について話し合ったりしたことで、息子自身の安全意識や責任感を育むことにつながったように思います。心配は尽きませんが、定期的に話し合いをしつつ、子どもたちが少しずつ自立していく姿を見守っていきたいと思います。
著者:田中ヒロ/40代女性/3人の子どもの父。飲食業。趣味は釣り。
イラスト:海乃けだま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)
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