入学後しばらく続く「集団下校」
息子が通う小学校では、入学から約2週間ほどの間、同じエリアの子どもたちがまとまって下校する「集団下校」が実施されます。
入学時に配布された資料によれば、先生が1~2名で引率し、保護者は事前に指定された待ち合わせ場所で子どもを迎えることになっていました。
入学して3日目。私は息子が楽しそうに帰ってくるのを心待ちにして、少し早めに待ち合わせ場所へ向かいました。
一向に帰ってこない息子
ところが、下校予定時刻から30分経っても息子が帰ってきません。その待ち合わせ場所には私以外の保護者はおらず、その場でただ待つしかありませんでした。周囲を小学生が歩いていましたが、息子の姿は見当たらず、だんだんと心配に……。
同じエリアの子どもたちが下校班となって一緒に帰るはずですが、そのときはまだ、息子が誰と一緒に帰ってくるのか、引率の先生が誰なのかもわからない状態でした。ますます不安になり、その場で学校に問い合わせることに。
学校に問い合わせると、まさかの回答が!
息子が待ち合わせ場所に来ないことを伝えると、息子のグループを引率していた先生が「息子さんのグループは、〇〇交差点で解散しました」と言ったのです。一瞬、頭が真っ白になる私……。
なんと、待ち合わせ場所よりも手前にある交差点で下校班と先生は解散。つまり、息子はひとりでその場に取り残されてしまったようなのです。
本来なら15分程度で帰れる距離ですが、このときすでに下校時間から1時間ほど経過していました。
いろいろな感情がこみ上げましたが、まずは息子を探すことが最優先。私はすぐに自転車に飛び乗り、町中を探し回りました。
15分ほど探したあと、「もしかしたら、もう帰っているかも」と思い、急いで家に戻ると――。
家の前で、今にも泣き出しそうな息子がうずくまっていました。どうやら先生と解散した後、自力で家まで帰ってきたようです。私が待っていた場所とは違うルートを通ってしまい、すれ違ってしまったのです。
私が誤解していた…!?
翌日、連絡帳を通じて学校に改めて確認すると「集団下校は、必ずしも待ち合わせ場所まで先生が付き添うわけではありません」との回答が。
確かに、入学時に配布されたプリントには「待ち合わせ場所で保護者と合流」と記載がありましたが、先生がそこまで送り届けるとは書かれていませんでした。
「集団下校」という言葉に、私はてっきり“先生が最後まで付き添ってくれるもの”と勝手に思い込んでいたのです。その誤解が、息子に不安な思いをさせてしまったのだと、深く反省しました。
初めての小学校。右も左もわからなかったのは、息子だけでなく私も同じでした。この経験をきっかけに、息子が先生と解散したあとにひとりになる可能性を踏まえ、対策を考えることに。
当時持たせていた学校指定のGPSは、学校の門を通ったときだけ通知が届く仕様。より詳細な位置情報がわかるGPSに切り替え、それ以来、息子がどこを歩いているのかを常に確認できるようになりました。
著者:いちのせはち/30代女性。2016年生まれの男の子と、2017年生まれの女の子を育てるシングルマザー。息子は発達障害・軽度知的障害あり、公立小学校の通常学級に在籍中。「子ども発達障がい支援アドバイザー」の資格を取得し、子どものサポートのため会社員を辞めフリーランスに転身。バイリンガル育児にも取り組んでいる。日々の癒やしはK-POPアイドル!
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)