夫の支配下で
天涯孤独の私は19歳で結婚。しかしそれから20年間、文字通り夫の支配下で生きてきました。彼は私を「寄生虫」と呼び、従順であることを求め、逆らえば追い出すといつも脅してくるのです。
食事ひとつとっても、冷凍食品や総菜はダメ。外食など連れていってくれたこともありません。掃除や洗濯も彼の言う通り、いつも完璧にしていないとすぐに機嫌を損ねます。
さらに夫は、私の感情すら否定。「意味もなく笑うな」などと何かにつけて激怒。頼れる両親や親戚がいないだけでなく、就職経験もない私なら逃げることはないだろうと見下しているのです。若かった私は、その高圧的な言動に抑え込まれ、感情を押し殺して生きるしかありませんでした。
むしろ感謝!?
そんな毎日が続いていたある日。私はテーブルの上に離婚届を見つけました。
「再婚するから離婚してくれ」
「もう自由にしていいぞ」
「やった~!」
「その言葉をずっと待ってたの!!」
夫は、若い恋人と再婚するため、もう私は不要だというのです。それを聞いた私は、思わず歓喜の声を上げてしまいました。今までの従順な態度とは打って変わって、自由を得られる喜びを爆発させた私。夫は、「お前、喜ぶなんて正気か? 泣いてすがってくるかと思っていたのに。俺に捨てられるんだぞ」と驚いたようですが、構いません。さらに私は、冷静に状況を分析。不倫による慰謝料と財産分与を求めると宣言しました。
「ようやく自由になれる! 不倫して別れてくれるなんて最高よ。あなたの有責離婚になるでしょ。責任は取ってもらう。今までずっと従順な妻のふりをしていたけど、もうやめるわ!」
口をあんぐりさせた夫を放置し、私はサッサと離婚届に署名。速攻で役所に出しに行ったのです。
まさにどんでん返し
その後……。とある事実を知った元夫から、鬼電がありました。それは、私の実父のこと。実は最近になって、病床で先が短いという実父から連絡を受け、「ざんげだ」と言って遺産を生前贈与されたのです。夫には知られないよう独自の口座を作り、すべて秘密裏に相続の手続きを済ませていました。
さらに元夫は、さんざん貢がされた挙句に、若い不倫相手とは破談になったそう。高圧的な本性はすぐに相手の知るところとなり、さっさと捨てられて、今はひとりむなしく即席ラーメンをすする生活なんだとか。
「俺が悪かった、帰ってきてくれ……」とすがる元夫でしたが、私は着信拒否にして連絡を絶ちました。
その後私は、大学に入って友だちを作り、勉学にも励み、今までやりたかったことを全部やりました。数年たった現在は、自分で事業を始めてやさしい恋人もできました。夫は20年間私を支配しましたが、私は負けませんでした。諦めずに機会をうかがって、常に準備をしていて本当によかったです。
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ひどい夫と立場が逆転してスッキリですね! 精神的なDVが長く続いた中でも、芯を強く持って耐えていた妻には幸せになってほしいですね。まだまだ40歳前半、これから思い切りすてきな人生を歩めることでしょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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