妹「お姉ちゃんがハイスペと結婚!?」
両親に結婚について報告した翌日、久しぶりに妹から連絡が届きました。
「お姉ちゃんみたいに地味でさえない人でも結婚できるんだね。正直、笑っちゃう」
「おめでとう」もなく馬鹿にしたような言葉に、私は悲しくなってしまいました。しかし、妹は私の気持ちなどお構いなしに続けます。
「相手は何をしている人なの? 問題のある人じゃないよね? ネットで検索して調べるから名前を教えて」
私は妹にあきれながらも、大手商社で営業として働く男性だと説明。「名前はA男で、とても優秀で周りからの信頼も厚い素敵な人」と伝えました。
すると妹はとても驚いたようで、「嘘でしょう、お姉ちゃんがハイスペと結婚!? 彼、お金持ちなの?」と聞いてきたので、私は正直に「彼の実家が会社を経営しているから、お金には困っていないと思う」と返信しました。
彼の詳細を聞いた妹は、「私のほうがお姉ちゃんより美人だしスタイルもいいのに、どうして私の彼氏よりハイスペと結婚できるのよ!!」と発言。さらに「玉の輿とかずるい! 調子に乗らないで!」と怒ってきたため、私は面倒になりそこで連絡を区切ったのでした。
彼は出張で海外へ
それから1週間後、彼から「実家へのあいさつの日取りを延期したい」との連絡が。理由を聞くと、任されている大きな新プロジェクトが予定よりも早く始動することになったらしく、2カ月ほど海外へ出張することになったよう。
私は以前から新プロジェクトについては聞いており、「あいさつのことは気にしないで!」と延期を承諾。彼は「できるだけ早く帰ってきてあいさつにいけるようにするから、待っていてね」と言ってくれ、紳士的な対応に私はとても安心したのでした。
妹から信じられない電話が!
彼が海外へ旅立ち1カ月が経過したある日、妹から電話がかかってきました。
「お姉ちゃんの婚約者、奪っちゃった! 彼、私と結婚したいって」
私は「何を言っているの? 冗談でしょ?」と言いましたが、妹はどうやら本気のよう。聞くと、2週間ほど前に会って交際をスタートし、毎日、メッセージで愛の言葉を送ってくれるとのこと。彼はそのようなタイプではないため、私はにわかに信じられず「彼が毎日愛の言葉を言うなんて考えられない! それに彼は……」と反論しようとしますが、妹は「負け惜しみはやめてよ〜」と聞く耳を持ちません。
それでも私は妹の話を遮り、「横取りも何も、彼、日本にいないんだから!」と説明しました。妹は「は!? どういうことよ」と状況が理解できない様子。「今週末は婚約指輪を見に行く予定なのに……」と言いますが、海外にいる彼がそのようなことをできるはずがありません。
妹の彼の正体は…
妹に「どうやってその彼と出会ったの?」と説明を求めると、「お姉ちゃんの婚約者の名前を検索したところ、SNSのアカウントを発見し、そこでDMを送って知り合った」とのこと。なお、私の婚約者はSNSをやっていません。
さらに詳しく聞くと、妹はその彼に「お金を預けてくれれば、僕が代わりに投資して資産を増やす」と言われているよう。私は「それ、投資詐欺かもしれないから絶対にお金は渡さないで。その彼とは縁を切りなさい」と強く言い、さすがの妹も「わかった」と納得してくれたのでした。
自己中な妹のその後
その後、私は両親に今回の妹の件を報告しました。もともと妹は両親に甘えてばかりで、仕事をせず実家でダラダラしていたこともあり、両親は彼女に激怒。「姉の婚約者を奪おうとするなんて言語道断。実家から出て自立しなさい!」と言われ、強制的に実家から追い出されたよう。今は正社員として働くため、「働きたくない〜」と愚痴を言いながらも就職活動をしています。
一方、私の婚約者は無事に帰国。親へのあいさつと入籍も済ませ、私は彼との新婚生活を楽しんでいます!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
イラスト:わかまつまい子
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