しかし、結婚してすぐに義父が急逝し、義母から「お願い、ひとりは寂しいの」と同居を懇願されました。日中仕事をしている私たち夫婦の代わりに家事をしてくれるという言葉を信じ、私たちは一緒に暮らすことにしたのです。
義母との同居生活
ところが現実はまるで違いました。義母は家事をまったくせず、毎日文句ばかり。夫が「お母さん、少しは手伝ってよ」と注意してくれても、彼が出勤した途端、私は義母の標的に。
私に文句を言いながら、家の中でゴロゴロしたり、外へ遊びに出かけたり。在宅勤務で一日中家にいる私は、義母の小言を浴び続けることになり、ストレスは溜まる一方でした。
ある週末、突然義姉が現れて
そんなある週末の朝、インターホンの音が鳴り、ドアを開けると大きなスーツケースを持った義姉が立っていました。
義姉は、私と夫が苦手としている人です。いつも私たちを見下したような言動ばかり。幼少期に義母が義姉ばかりを溺愛していたそうで、夫にとってつらい記憶になっていると聞いていました。
「これからは私が実家で暮らすわ。あんたたちは出て行って!」
義姉はそう言って、ずかずかと家に上がり込んできました。理由を聞けば、どうやら離婚して戻ってきたとのこと。義母も完全に義姉の味方のようで、「お姉ちゃんが帰って来たから、仕方ないわよね」と、当然のように私たちを追い出そうとしてきたのです。
夫の決断
私はあまりにも身勝手な義母と義姉の言動に、言葉を失いました。けれど、夫は落ち着いた表情で「そうしたいなら、そうすればいいよ」と言いました。
驚く私の隣で、夫はすでに心を決めていたようでした。
私も「わかりました」と答え、私たちはすぐに引っ越しの準備を始めました。
「この機会に、二人とはもう縁を切るよ」
夫の静かな決意に、私は胸がスッと軽くなるのを感じました。
引っ越し後、絶縁宣言!
ある週末、義母と義姉が外出している時に、私たちは引っ越しをしました。私たちが買ったテレビや洗濯機、ソファ、掃除機、電子レンジ、食洗器、エアコンなどの家具や家電もすべて運び出しました。同居にともない、ほとんどの家具や家電を私たちが新調したのです。
その日の夜、焦った義母と義姉から電話がありました。
「家具も家電も全部持って行くなん、私たちが生活できないじゃない! 買うお金もないし……早く戻って来なさいよ!」と怒っているようでした。
夫は「俺たちが買った物を持って出ただけだよ。出て行けと言ったのはふたりだろ? もう縁を切るから、今後一切俺たちに関わらないでくれ」と言い、電話を切りました。そのあと、何度も謝罪の連絡があったようですが、夫は許しませんでした。
幸せは、自分たちで選ぶ
あれから半年。新しい家で、夫と私は心から安らげる毎日を過ごしています。気兼ねなく自分らしく過ごせる空間があることがどれだけ幸せなことか、ようやく本当の意味でわかりました。
その後、私たちは赤ちゃんを授かりました。小さな幸せを大切にしながら、私たちらしい家族の形をつくっていけたらと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。