ところが一緒に暮らすようになってから、義母の態度がガラリと変わってしまったのです。義母は夫に家業をすべて丸投げし、自分は家事も義父の介護も一切せず、日がな一日、韓流ドラマを観てゴロゴロ。
「まさかここまでとは……」
一緒に暮らして初めてわかる本性に、私はため息をこらえる毎日でした。
夏になると、家に来るのは……
さらに大変なのが、夏になるとやってくる義姉からの「お願い」。
「やっほ~元気? 夏休みなんで、うちの子たちよろしくね! 1カ月後に引き取りにくるから~!」
小学1年生の双子の甥っ子たちは元気いっぱい、いや、元気すぎるくらいで、いたずらも絶えません。子育て、家事、義父の介護……自分たちの生活だけでも手一杯なのに、人の子の面倒なんてとてもじゃないけど無理!
「家のこととか義父の介護とか、本当に大変なんです」
そう訴えても義姉は聞く耳を持たず、子どもたちを置いて帰ってしまいました。義母もすぐに「疲れた」と言って結局面倒は私に丸投げ。
「嫁でしょ!? 家族なんだから、あんたがなんとかしなさい!」
そんな言葉に、心が折れてしまいました。
義父が他界、義母は入院に
もう無理かも……。頼りたい夫に相談しても、「は!? 姉貴の子どもの面倒? おやじの介護もきつい? 知らないって、俺は忙しいんだよ!」とピシャリ。心の中にぽつりと「離婚」という言葉が浮かびました。
そんな矢先、義父が他界。
悲しみも落ち着かないうちに、義母がランニングマシーンで転倒して骨折、入院することになったのです。まさに、踏んだり蹴ったり。
夏休み恒例、義姉の双子を長期預かり!?
そんな義母が入院中のタイミングで、またもや義姉が登場。
「こんにちは! 今年の夏休みも子守りよろしく~今年は彼と海外旅行に行くんだぁ♡」
さすがにもう限界でした。
「わかりました。まぁ、今年で最後なので大丈夫です! 預かりますね」と笑顔で返事をして、その夜、夫に離婚を告げました。
「これから娘と出て行くから。双子の面倒はあなたがみてね。自分の家族なんだから当然だよね? 私は家族をやめたいので、離婚しましょ」
夫は青ざめ、「今まで本当に悪かった」と頭を下げて謝罪。夫はすぐに義姉に連絡を入れましたが、双子を迎えに来られるのは1週間後とのこと。私と娘は家を出ました。結局夫は仕事を在宅に切り替え、仕事をしながらひとりで双子の面倒をみるしかなかったようです。
同居解消、変わった夫
家事と双子の世話をひとりでした夫は、私の大変さを痛感したようで、「こんなに大変だったのに、さらにうちの子の世話と親父の介護までしてくれてたんだよな……本当ごめんな」と再度しっかり謝罪してくれました。私は同居解消を条件に、一旦許すことにしました。
義母が退院してきたころ、私たちは近所のマンションへ引っ越しました。
「これからは適度な距離で、お互い快適に過ごしましょうね」
そう伝えると、義母は気まずそうにうなずいてくれました。
今は、娘と夫と3人で穏やかな日々を取り戻しました。義母の介護は夫や訪問ヘルパーさんに任せています。夫は少しだけ家事や育児に協力的になり、「思いやり」が家族の中に戻ってきました。
家族の形に正解なんてないけれど――無理せず、笑顔を忘れず、私たちらしい幸せを大切にしていこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。